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【電力】

国家電網が電力グリッド技術の「走出去」に本腰 隣国との国際系統連系も計画 (15/05/27)
2015/6/3
中国【電力】

 高速鉄道、原子力発電に次いで中国は電力グリッド技術の海外輸出に着手している。中国国家電網公司は、特高圧(UHV)、スマートグリッド等の技術を海外に輸出するとともに、ロシア、モンゴル、カザフスタン、パキスタン等の電力グリッドとの相互連系を計画している。5月29日、国家電網の王延芳報道官が新華社の取材に対して計画を明らかにした。

 近年、国家電網は海外市場の開拓に前向きに取り組んでいる。最初の目標はブラジルであり、李克強首相のブラジル訪問に際し「中国製造」の特高圧がラテンアメリカに正式に輸出されることになった。5月19日には李克強首相がブラジルの首都ブラジリアでBelo Monte特高圧送電プロジェクトの起工式に出席した。

 特高圧は高速鉄道、原子力発電に続いて3番目の「走出去」技術になる。

 王報道官によると、国家電網は今後様々な市場を対象に様々な投資計画を打ち出すことになる。欧米と大洋州ではM&Aを展開し、南米やアフリカでは緑地事業開発とEPCに重点を置く。

 加えて、国家電網は、習近平主席が提唱する「一帯一路」(シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロード)戦略構想に呼応して、周辺諸国の電力グリッドとの相互連系プロジェクトを展開するよう計画している。目下ロシア、モンゴル、カザフスタン、パキスタン等との系統連系を検討しており、建設を計画している事業は6件に上る。

 先日着工したBelo Monte事業は中国が初めて海外に投資する特高圧送電事業になり、米州初の特高圧直流送電線でもある。

 国家電網の海外投資はすでに総額98億ドルに達し、海外資産総額は298億ドルに上る。2013年と2014年にはブラジル、ポルトガル、オーストラリア、イタリア、フィリピン、香港など海外で合計55億ドルの債券を発行した。2010年にはブラジルのリオデジャネイロに国家電網ブラジル法人を設立し、送電線6,748キロを運営している。さらに現在建設中の送電線は6,054キロになり、国家電網はブラジル第4位の送電事業者になっている。
 
 (中国経済新聞網 5月27日)