1. HOME
  2. 中国 【石油・天然ガス】

中国
【石油・天然ガス】

中国の原油先物が年末上場の見通し (15/06/02)
2015/6/8
中国【石油・天然ガス】

 「全て順調に進めば、今年末には原油先物が上場される見通しだ」。5月28〜29日に開かれた第12回上海デリバティブ市場フォーラムにおいて上海先物取引所の宋安平所長が表明した。

 今回のフォーラムは「一帯一路」(シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロード)戦略の下における先物市場の発展と協力をテーマとし、とりわけ原油先物が焦点になった。中国証券監督管理委員会の姚剛副主席は、中国は原油先物を突破口として、海外投資家の中国の先物市場への参加を逐次引き入れ、先物市場の対外開放と対外協力をさらに推進して、「一帯一路」戦略に寄与すると表明した。

 原油先物市場の整備を急ぎ、上場を推進することは、国のエネルギーセキュリティの確保や中国先物市場の国際化の推進にとって大きな意義を有する。税関総署が4月に発表した統計によると、中国はすでに米国を超えて世界最大の原油輸入国になっている。然るに、中国は長年にわたり自身の石油・天然ガス取引市場を欠いており、資源輸入の価格交渉においても発言権に乏しい。「中国の原油先物の上場は世界の原油価格決定システムの完備に役立つ」と専門家は指摘する。

 国家能源局石油ガス司総合処の楊青処長によると、原油先物の上場はすでに証券監督管理委員会から承認を得ている。中国は国際原油先物市場の運用経験が乏しく、中国の需給を適正に反映できる安定的で持続可能な原油先物市場を確立するにはまだまだ多くの問題を解決しなければならない。また、世界の市場参加者の支持を得ることも必要である。

 原油先物上場事務を担当する上海国際エネルギー取引センターの関係者が明らかにしたところでは、原油先物は人民元を価格計算通貨とし、純価格によって取引を進める。投資家と証券業者の決済方式は保税決済とし、取引の参加主体には国内と国外が含まれる。原油先物上場に関わるマニュアルや監督管理細則は近日公布されることになる。

 (中国石油報 6月2日)