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中国
【エネルギー全般・政治経済】

「新シルクロード」は中露間のエネルギー安全供給の架け橋 ロシア前エネルギー相 (15/06/23)
2015/6/29
中国【エネルギー全般・政治経済】

 ウクライナ紛争によりロシアと西側の関係が緊張し、ロシアはエネルギーや金融分野で西側諸国から制裁を受けている。加えて、国際油価の下落によりロシア経済は崩壊の瀬戸際に瀕している。

 こうした複雑な地政学的情勢の中で、ロシアは東に目を向け、中国とエネルギーをめぐる協力を展開して、大きなブレークスルーを遂げた。中露は30年間にわたる巨額の天然ガス契約に調印し、ロシアは中国の石油企業にロシアの上流エネルギー開発への参加を招請するようになった。

 中国にとって、国際情勢を利用してロシアとのエネルギー協力を推進することは自国のエネルギーセキュリティを確保する上で重要な一歩である。とりわけ陸上シルクロード(新シルクロード)計画の発表を受けて、両国のエネルギー協力に新たなチャンスが発生している。新シルクロードが開くチャンスを生かして中露間のエネルギー分野の協力をより一層深めることが、両国の討議の焦点になっている。

 6月15日、中国社会科学院主催のグローバルエネルギーセキュリティシンクタンクフォーラムと《世界エネルギー発展報告2015》発表会において、ロシアのYuri Shafranik前エネルギー相は取材に対し、次のように表明した。

 現段階では国際油価について懸念するには及ばない。中露天然ガスパイプライン建設の鍵は中国の経済成長が持続出来るかどうか、天然ガスに対する長期需要を保証できるかどうかにかかっている。両国の新シルクロードをめぐる協力においては従来の一国覇権主義を放棄する必要がある。新たな情勢の下において、両国の協力は政治上の相互信頼を必要とし、新しい思考によって協力を促進しなければならない。これは両国がエネルギーセキュリティを確保する上で重要なファクターになる。

 (澎湃新聞 6月23日)