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【エネルギー全般・政治経済】

社会科学院がエネルギー青書を発表 2015年の中国のエネルギー消費に若干のマイナスも (15/06/16)
2015/6/22
中国【エネルギー全般・政治経済】

 中国社会科学院国際エネルギーセキュリティ研究センターの《世界エネルギー発展報告(2015)》出版発表会が6月15日に北京に開かれた。同レポートは、2015年の中国のエネルギー生産量が増加する一方、消費は若干下がるとの予想を示している。また、同レポートは中国が「一帯一路」(シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロード)戦略協力を提唱する中、国際社会とのエネルギー協力は「一帯一路」に沿う形で、関係諸国とアジア太平洋エネルギー市場の一体化を速やかに推進するとの予想を示した。

 レポートによると、2015年の中国国内の原油及び天然ガスの生産量は安定成長を持続し、2015年の原油生産量は2.71億トンに達して、0.4%の伸び率が維持される。国内天然ガス生産量は1,344億m3に達し、伸び率は約10%になる。

 一方、需要面では、国内石油製品需要の伸び率が下がり、2015年の石油製品見掛け消費量は2.77億トン、伸び率は約2.1%になり、生産量の伸び率を1ポイント下回る。そのため、石油製品の純輸出量が増加して2,080万トンに達し、伸び率は41.9%になると予想される。うちガソリンの純輸出は前年比7.8%減になるが、軽油は137.2%増になる。今後中国の石油製品輸出において軽油輸出が常態化することになる。

 国際市場については、国際油価の低迷という国際エネルギー市場環境が「一帯一路」に極めて有利なチャンスをもたらす。「一帯一路」戦略は基本的に中国の2大エネルギー輸入ルートと重なる。すなわち、陸上はロシアと中央アジアから中国へ、海上は中東、アフリカからインド洋、マラッカ海峡、南シナ海を経て中国に到る2本の伝統的国際貿易ルートである。関係諸国とアジア太平洋地区のエネルギー市場の一体化推進につながり、アジア太平洋地区の経済融合をさらに進める上でも有効である。

 (中国証券網 6月16日)