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中国
【石油・天然ガス】

中国の天然ガス供給拡大を支持せよ 英フィナンシャルタイムズ (15/06/23)
2015/6/29
中国【石油・天然ガス】

 英《フィナンシャルタイムズ》は6月17日の社説において、中国の天然ガス供給拡大は気候変動対策にとって重大を意義を有し、世界各国にとってはウィン・ウィンの戦略になると論評した。

 同社説はBP統計を引用して、2014年の世界のCO2排出量の増加率は過去15年間の最低水準であり、その主な原因は中国にあると指摘した。中国のCO2排出の増加率はわずか0.9%に止まり、過去10年間の平均値9%を大きく下回った。

 また、中国の経済成長が減速し、経済の重心が建設業や重工業からシフトしたため、エネルギー消費の増加率もわずか2.6%に止まり、1998年以降の最低水準になった。同時に、新規原子力発電所や水力発電所が運転を開始し、大きい降水量によって水力発電が推進された。

 国内の石炭消費が可及的速やかにピークに達するようにするためには、非化石燃料の使用を急速に増やすだけでなく、天然ガスの使用を増やすことも必要である。ガス発電によるCO2排出は石炭火力発電のわずか半分程度である。中国の発電設備容量の中で天然ガス発電は今のところわずか4%であるが、中国政府は2020年までにエネルギー消費に占める天然ガスの比率を2倍近くに増やすとの目標を策定しており、2014年の5.6%から2020年には10%に増やすことになる。

 中国は天然ガスの国内生産と輸入を増やすため様々な措置を講じているが、このことは時として米国とEUの懐疑を招いている。中国のシェールガス開発努力は米当局からの支持を取り付けているが、中国企業の国際競争力向上に対する懸念も引き起こしている。例えば、中国が昨年実現した中露天然ガス供給合意も含む天然ガス輸入合意は中国が地政学的影響力を拡大する戦略と見なされている。

 しかしながら、地球の気候変動による脅威を受け入れ可能なレベルに維持するためには、中国の石炭消費量を抑制することが最も重要な一歩になる。

 その他の諸国は天然ガス供給を増やそうとする中国の努力を支持すべきであり、そのことは長期的に見てあらゆる人々の利益に合致する。

 (中国石油報 6月23日)