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【エネルギー全般・政治経済】

中国のエネルギー消費の伸び率が16年来の最低を記録 BP最新統計 (15/06/26)
2015/7/1
中国【エネルギー全般・政治経済】

 6月25日、BPは広州において《世界エネルギー統計年鑑》発表会を開いた。

 BPによると、過去10年間と同様に新興経済体は2014年の世界のエネルギー消費の成長をリードしたが、伸び率は過去10年間の平均の4.2%から大幅に低下し、わずか2.4%に止まった。

 中国のエネルギー消費の伸び率は2.6%であり、14年連続でプラスになったが、伸び率は過去10年間の平均6.6%の半分にも及ばず、1998年以来の最低水準になった。

 BPの統計年鑑の中で最も注目を集めたのは中国の石炭消費量である。2014年の中国の石炭消費の伸び率は0.4%であった。このことは中国の石炭消費がすでに停滞状況に陥っていることを意味している。なお、2013年の伸び率は2%であった。

 中国の一次エネルギー構造に占める石炭のシェアも下がっている。このことは鉄鋼や建設など石炭多消費部門が経済転換によって深刻な影響を受けている現われである。電力事業における石炭のシェアもやや下がっている。特に2014年は新規水力発電能力が稼動し、しかも降水量が大きかったため水力発電の利用効率が高くなり、水力発電の発電量の伸び率は15.7%に達した。

 中国の石炭生産量は昨年低下し始め、1998年以降では初めて石炭生産量がマイナスになった。その影響で、中国の2014年のエネルギー生産の伸び率はわずか0.2%に止まり、過去10年間の平均である5.9%をはるかに下回った。

 BP首席エコノミストSpencer Daleは発表会において、石炭需要低下の3分の2は中国のエネルギー需要の普遍的な減速の必然的な結果であるとの見方を示し、経済構造の調整と一次的要因の作用が重なって中国の石炭消費の停滞を招いたとした。

 中国のエネルギー消費と生産の伸び率は過去の平均水準をはるかに下回ったものの、中国は依然世界のエネルギー市場をリードしており、世界最大のエネルギー消費国、生産国にして純輸入国である。中国のエネルギー消費量は世界の23%を占め、エネルギー消費の純増加分の61%を占めている。また、中国は世界のエネルギー供給量の19.1%を占める。

 中国の天然ガス、石油等の化石燃料の生産量はやや増加した。非化石燃料の中では、水力発電の伸び率が最も高く、中国の総発電量の5分の1を占めた。再生可能エネルギーの通年の伸び率は15.1%になり、世界全体の16.7%を占めた。原子力発電の伸び率は13.2%になり、過去7年間の平均水準を2倍以上上回った。

 (中国能源網 6月26日)