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中国
【石炭】

石炭消費総量規制政策によって強制的に石炭消費を削減せよ (15/07/03)
2015/7/9
中国【石炭】

 6月29日、天然資源保護協会(NRDC)と世界自然保護基金(WWF)の共同助成による中国石炭抑制プロジェクトが最新研究レポート《都市石炭総量規制方案の政策及び事例研究》を発表した。

 このレポートは中国の293の地区級行政区の基本状況について分析したものである。293の地区級行政区の常住人口は中国の総人口の94.19%を占め、GDPは中国全体の97.45%、エネルギー消費量は全国の95.45%、石炭消費量は94.62%を占める。未来の都市の発展が現行の道筋によって規定されると、石炭消費への依存から脱却することは困難になり、2050年の石炭消費量は2010年の3倍になりかねない。都市住民の健康と環境の悪化が続くことになる。

 レポートは《重点区域大気汚染防止第12次5ヵ年規画》や《大気汚染防止行動計画》など大気汚染防止政策の要請に基づき、中国の各都市の大気環境の現状と石炭消費強度等の状況とも合わせて、都市の大気汚染の制約レベルを等級に分けている。区分の結果は、?級制約都市が83、?級制約都市が84、?級制約都市が71、?級制約都市が55になる。中国はまず?級及び?級制約都市に対して厳格で強力な措置を進め、石炭消費総量規制政策を推進して、強制的に石炭消費を削減するようにしなければならない。石炭規制政策によって、石炭消費総量のピークを基準シナリオの2030年から2020年に前倒しするとともに、ピーク値を基準シナリオよりも42.3%低い約32億tce(標準炭換算トン)に抑えることが出来る。また、2050年の石炭消費総量を基準シナリオよりも58.3%低い約19億tceに抑えることが出来る。石炭消費総量規制政策の全体的な効果は顕著である。

 NRDCの気候・変動・環境上級顧問である楊富強博士は発表会において「都市は経済発展の核心であり、エネルギー転換の主要な原動力でもある。政府が都市の石炭の総消費量削減目標とシェアを規定し、監査と処罰の仕組みを科学的に設計し、今後推進する炭素排出権取引とも結びつけることは、市場の見地からCO2排出を抑制することにつながり、中国の大気汚染問題の有効な管理や省エネ・排出削減の実現にとって重要かつ現実的な意義を担う」と述べた。

 (和訊網 7月3日)