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中国
【石炭】

中国のエネルギー消費の伸び率が10数年来の最低を記録 石炭産業の苦境は依然変わらず (15/07/03)
2015/7/9
中国【石炭】

 統計によると、中国のエネルギー消費の伸び率は2.6%、14年連続のプラスにはなったが、過去10年間の平均である6.6%の半分にも及ばず、1998年以降では最低レベルとなった。また、2014年の中国の石炭消費の伸び率は0.1%に止まり、中国の石炭消費は停滞に陥っている。

 業界関係者によると、エネルギー市場は不確実性と変動性を常とする。昨年の世界エネルギー市場の動揺や最低を記録したエネルギー消費の伸び率は様々な要因によってもたらされたものである。新エネルギー利用のスピードアップと化石エネルギー消費の鈍化に伴い、昨年は世界的に石炭以外の燃料の消費はいずれもプラスになったものの、伸び率は著しく下がっており、過去10年間の平均水準を下回った。

 石炭産業が苦境に陥った最も大きい原因は需給のアンバランスにある。第1に、石炭産業発展の外的条件が良好であった時期に各地の石炭企業は次々と生産能力を拡大したが、国内経済に下振れ圧力が発生すると、川下の発電所や不動産、鉄鋼業の石炭需要が減少し、石炭産業に供給過剰局面が生じた。第2に、需要の縮小が発生している際に、石炭企業は価格引下げによる販促という方法を採って、赤字状態の下でも生産を続け、生産能力過剰が石炭産業の供給過剰を一層激化させた。

 環境保護とクリーン・エネルギーがますます重要視されるようになり、エネルギー供給及び消費構造の多元化はすでにエネルギー産業の大きな流れになっている。このことは石炭需要が減少した重要な原因でもある。中国の風力発電、ソーラー、原子力発電などクリーン・エネルギーの占める比率はますます大きくなり、炭素を多く含む石炭の比率は徐々に縮小しつつある。昨年、中国の再生可能エネルギーは15.1%増え、世界全体の16.7%を占めた。原子力の伸び率は13.2%で、過去7年間の平均水準の3倍以上になった。

 石炭産業に関するレポートによると、全国の重点石炭企業のうち80%以上が赤字である。今年1〜5月の原炭生産量は14.6億トンで、前年同期に比べ9,321万トン、6%下がった。全国の石炭販売量は13.2億トン、前年同期より1.27億トン、8.8%減少した。加えて、全国石炭在庫は40ヵ月以上連続で3億トンを超えており、黒龍江、吉林、遼寧、河北、山東、安徽等の石炭産業は全体的に赤字に陥っている。石炭産業の赤字はすでに争う余地のない事実であり、石炭企業は全産業チェーンの開拓に取り組むことで当面の赤字状況を打開することが急務である。

 (中国経済時報 7月3日)