1. HOME
  2. 中国 【エネルギー全般・政治経済】

中国
【エネルギー全般・政治経済】

中国の上半期の電力消費量の伸び率が5年来の最低を記録 (15/07/16)
2015/7/22
中国【エネルギー全般・政治経済】

 国家能源局が7月15日に発表した統計によると、上半期の電力消費量の対前年同期比の伸び率は1.3%、5年来の最低を記録した。一方、同じ日に発表された上半期のGDP成長率は7%で、予想を上回った。この「一冷一熱」について、国家統計局の盛来運報道官は「新常態」と関係しているとの見方を示し、中国の経済構造及びエネルギーと資源の利用効率は最早以前とは異なるとした。前向きの変化として、6月の全国電力消費量が前年同月比1.8%のプラスになったことが挙げられる。電力消費量が対前年同月比の伸び率は3ヵ月連続のプラスになり、一方、製造業は2ヵ月連続でプラス成長を実現している。業界関係者の予想によると、下半期に安定成長措置が徐々に効果を現し、電力消費量の伸び率がさらに回復して、7月の対前年同月比の伸び率は3〜5%になる。但し、通年の伸び率は年初の予想を下回り、2〜4%に止まる見通しである。

 統計によると、1〜6月の全国電力消費量は2兆6,624億kWh、前年同期比1.3%増になり、昨年同期の5.3%の伸び率に比べると4ポイント下がった。「上半期の電力消費状況は全体的に低迷したのは確かだが、部分的にポジティブな変化もある。第三次産業の電力消費が比較的高い成長を維持し、その他の産業は4月以降毎月の伸び率が小幅な回復を示している。製造業の電力消費の伸び率は5月からプラスに転じ、第二次産業の電力消費は6月にプラス成長を実現した。基本的に経済の下振れが底入れし安定に向かっていると判断される」と、中国電力企業聯合会の欧陽昌裕副事務局長は指摘する。重工業の電力消費量の伸び率も3月以降マイナスが続いていたが、6月には0.3%にプラスに回復し、そのことも第二次産業の電力消費量の0.6%のプラスに寄与した。

 電力消費構造を見ると、上半期の第二次産業の電力消費量は前年同期比0.5%のマイナスになったが、第三次産業は8.1%のプラスになった。このことは、GDPに占める第三次産業の比率が前年同期より2.1ポイント高い49.5%になったことと符合している。また、上半期の経済成長に対する消費の寄与度は60%になり、前年同期に比べ5.7ポイント上昇した。さらに、今年上半期の単位GDP当たりエネルギー消費は前年同期比5.9%下がり、減少幅は第1四半期に比べやや大きくなった。

 (経済参考報 7月16日)