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【エネルギー全般・政治経済】

電力消費量が3ヵ月連続でプラス 中国経済に安定回復の兆し (15/07/15)
2015/7/22
中国【エネルギー全般・政治経済】

 電力消費量は経済動向を反映する重要な指標である。国家能源局が7月15日に発表した統計によると、6月の全国電力消費量は前年同月比1.8%のプラスになった。4月の電力消費量がプラスに転じて以来3ヵ月連続のプラス成長になる。また、上半期の電力消費量も前年同期比1.3%のプラスになった。「電力消費量の伸びは依然低迷しているものの、3ヵ月連続でプラス成長になったことは、上半期に政府が打ち出した安定成長政策が徐々に効果を上げていることを示している。中国経済の安定回復の兆しが徐々に現れて来ている」と国家電網エネルギー研究院経済エネルギー需給研究所の単葆国所長は見ている。

 産業別に見ると、第一次産業と第三次産業の電力消費量の伸び率は安定し、一方、工業用電力消費量は5月のマイナス0.6%から6月にはプラス0.7%に転じ、工業分野の下振れ圧力がやや緩和されていることを示された。

 このことは7月15日に発表された上半期の中国経済統計にも符合している。国家統計局の盛来運報道官の説明によると、中国の経済指標は第2四半期以降、月を追うごとに回復傾向が現れており、一定規模以上の工業付加価値の伸び率は3ヵ月連続で回復を示し、4月の5.9%、5月の6.1%から6月には6.8%に回復した。一方、電力消費量の構成も中国経済構造の変化を反映している。上半期の第二次産業の電力消費量が前年同期比0.5%のマイナスになった一方で、第三次産業の電力消費量は8.1%のプラスになり、経済成長におけるサービス業の地位は徐々に突出するようになっている。

 また、エネルギー多消費産業の電力消費の伸び率も下がっている。中国電力企業聯合会の専門家によると、1〜5月の4大エネルギー多消費産業、すなわち化学原料、非金属鉱物、鉄鋼及び非鉄金属精錬の電力消費量は前年同期比1.7%のマイナスになり、伸び率は前年同期より6ポイント下がった。

 単葆国氏の分析によると、今年に入って以来、中国の経済成長は減速する中でも安定化に向かい、一方、電力消費量の伸び率は大幅に下がっており、経済動向との間で著しい「乖離」が生じているが、このような「乖離」は正に経済構造調整が顕著な成果を上げていることを示すものである。経済の安定回復に伴い、下半期の電力消費量の伸び率は着実に上昇傾向を維持すると予想される。

 (新華網 7月15日)