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【石油・天然ガス】

中国の原油戦略備蓄がスピードアップ (15/07/23)
2015/7/29
中国【石油・天然ガス】

 原油価格の持続的低迷は中国の原油戦略備蓄にとって有利な条件を生み出しており、中国は原油戦略備蓄をスピードアップさせている。

 税関総署の最新統計によると、6月の中国の原油輸入は前年同月に比べ27%増加し、中国は年内に米国を超えて世界最大の原油輸入国になり。今年上半期の原油輸入は1億6,337万トン、前年同期比7.49%増になったが、輸入額は1,770.9億ドルで、前年同期より41.72%減少した。

 「現在中国国内の製油所はメンテナンスのシーズンであり、大量の輸入原油を生産に当てることは出来ない。発表された経済統計を見る限り、中国経済は未だ安定回復しておらず、需要量が大幅に増加する可能性も高くない。そのため、今回大幅に増加した輸入原油は国家戦略備蓄に充当するしかない」と商務部研究院重要商品研究予測センターの童麗霞副研究員は述べた。

 国家統計局が昨年初めて発表した国家石油備蓄情報によると、国家石油備蓄第1期の総容量は1,640万m3、備蓄原油は1,243万トンになり、すでに備蓄を完了したが、第2期の注油は未だ完了していない。

 中国の石油対外依存度は急上昇しており、2014年末には60%に迫っている。対外依存度の上昇は中国のエネルギーセキュリティに潜在的リスクをもたらしている。石油業界関係者によると、多元的な石油備蓄体系を確立し、一定の石油備蓄を備えることはエネルギーセキュリティの確保において重点中の重点になる。

 さらに、アモイ大学エネルギー経済研究センターの林伯強主任によると、2015年の中国の原油対外依存度は60%を超え、2035年には80%に達すると予想される。また、IEAは中国の石油対外依存度は2040年に80%に達するとの予想を示している。戦略石油備蓄は今や最優先の急務になっている。 

 概算では第1期の備蓄1,243万トンは昨年の原油輸入量の14.6日分に過ぎず、IEAの規定する純輸入量90日分の「安全ライン」をはるかに下回る。中国は現在第2〜第3期の石油戦略備蓄プロジェクトを進めているが、楽観的に見積もっても石油純輸入量の60日分か原油精製量の33日分の規模でしかなく、国際公認の「90日標準」との間には依然として小さからぬ差がある。

 (中国能源網 7月23日)