国際エネルギー価格が過去1年間で大幅に下落し、企業の収益悪化が続き、天然ガスの生存空間は目に見えて縮小している。 中国石油化工(SINOPEC)の専門家が明らかにしたところによると、国家発展改革委員会は天然ガス価格引下げについて検討を進めており、非民生用天然ガス価格の下限価格を0.4〜1元/m3引き下げることになる。発展改革委員会は目下中国石油天然ガス集団(CNPC)等の石油企業と協議している。しかしながら、天然ガス価格引き下げは、環境保護、安定成長、企業の収益やエネルギー構造の調整など様々な要請の間でバランスを取ることが難しく、そのため価格引き下げを短期間で確定することは難しい。 中国能源網の韓暁平首席情報官によると、現行の天然ガス価格は余りにも高いため、競争力が急激に低下しており、直ちに値下げを行わなければ多くの市場を失うことになる。 当面の天然ガス改革の方向性として、天然ガス価格を代替エネルギー価格と連動させることになるが、石油価格と石炭価格の低迷もあって、業界では天然ガス価格引き下げの風聞が広まっている。 今年4月1日、中国の天然ガス価格が一本化され、天然ガス価格は初めて大幅に引き下げられたが、「それでもまだ高すぎる」と韓暁平氏は言う。国内天然ガス価格は輸入LNGに比べてもなお高く、市場は急激に縮小し、多くの地方では「逆代替」現象が発生している。代替エネルギーは「白菜並みの価格」競争に入り、その一方で天然ガスの供給過剰傾向がますます強まっている。 中商情報網によると、2015年上半期の中国の天然ガス生産量は656億m3、前年同期比3.8%増になり、天然ガス輸入量は293億m3、3.5%増になったが、一方、天然ガス消費量は906億m3、2.1%増に止まった。 国家発展改革委員会能源研究所の田智宇副研究員によると、数年前に多くの企業が天然ガス需要増を見越して大規模な事業投資を行ない、地方政府も天然ガス消費を促進したが、今は生産能力の増加スピードが消費量の増加スピードを上回っている。また、中国経済の成長鈍化のため、2001〜2010年に年平均15%に上っていた天然ガス消費の伸び率は今では10%以下に下がっている。 ゴールドマンサックスは、2015年下半期の天然ガス価格を3.3ドル/MMBTU、2016年を3.5ドル/MMBTUと予想していたが、今週になって2.75ドル/MMBTUと3ドル/MMBTUに下方修正した。 「天然ガス価格の引き下げは完全に可能だが、当面の引き下げはだぶついている生産量と輸入量を消化するためだ」と田智宇氏は分析し、需給が再び平衡すると天然ガス価格は再び引き上げられることになるとの予想を示す。 業界関係者によると、経済下振れ圧力が強まり、企業収益の悪化が続く中で、経済所管部門は天然ガス価格の引き下げを求めている。同時に価格引き下げを支持する声は環境保護分野からも来ている。なぜなら天然ガスは炭素排出が石炭の半分程度であり、相対的にクリーンなエネルギーと見なされているからである。 韓暁平氏によると、天然ガス価格の高止まりは誤ったシグナルを発している。天然ガスは稼動から使用まで少なくとも3年以上を要し、当面の高い価格のため市場が天然ガスの使用を断念することになれば、天然ガスは長期的に競争力を失うことになる。中国は過去数年間において、ロシアやカタール等と大規模な天然ガス契約を結んだが、韓暁平氏は「契約価格は余りにも高すぎた」と言う。 報道によると、2015年に入ってから国際天然ガス価格は暴落し、中露両企業間に中露ガスパイプライン西線の天然ガス価格をめぐって大きな隔たりが生じ、同事業が先延ばしになっているとのことである。CNPCの天然ガス担当者によると、今なお価格交渉が続けられているが、西線の契約調印と着工がいつになるのかは未だ確定していない。「当面やるべきことは相手方と改めて交渉を進めることだ。問題を解決するには市場を確保し需要を増やすしかないことを理解する必要がある」と韓暁平氏は言う。 韓暁平氏の説は中国企業にも当てはまる。中国の天然ガス価格が高いもう一つの原因には中間コストが高すぎることもあり、その原因は天然ガスの市場化の程度が低いことにある。 天然ガスの輸送と配送プロセスは自然独占の性格が強く、パイプラインの建設と運営は少数の企業が独占している。コストの計算は難しく、天然ガス価格引き下げに対する抵抗力は依然軽視できない。 (新浪財経 7月31日)
国際エネルギー価格が過去1年間で大幅に下落し、企業の収益悪化が続き、天然ガスの生存空間は目に見えて縮小している。
中国石油化工(SINOPEC)の専門家が明らかにしたところによると、国家発展改革委員会は天然ガス価格引下げについて検討を進めており、非民生用天然ガス価格の下限価格を0.4〜1元/m3引き下げることになる。発展改革委員会は目下中国石油天然ガス集団(CNPC)等の石油企業と協議している。しかしながら、天然ガス価格引き下げは、環境保護、安定成長、企業の収益やエネルギー構造の調整など様々な要請の間でバランスを取ることが難しく、そのため価格引き下げを短期間で確定することは難しい。
中国能源網の韓暁平首席情報官によると、現行の天然ガス価格は余りにも高いため、競争力が急激に低下しており、直ちに値下げを行わなければ多くの市場を失うことになる。
当面の天然ガス改革の方向性として、天然ガス価格を代替エネルギー価格と連動させることになるが、石油価格と石炭価格の低迷もあって、業界では天然ガス価格引き下げの風聞が広まっている。
今年4月1日、中国の天然ガス価格が一本化され、天然ガス価格は初めて大幅に引き下げられたが、「それでもまだ高すぎる」と韓暁平氏は言う。国内天然ガス価格は輸入LNGに比べてもなお高く、市場は急激に縮小し、多くの地方では「逆代替」現象が発生している。代替エネルギーは「白菜並みの価格」競争に入り、その一方で天然ガスの供給過剰傾向がますます強まっている。
中商情報網によると、2015年上半期の中国の天然ガス生産量は656億m3、前年同期比3.8%増になり、天然ガス輸入量は293億m3、3.5%増になったが、一方、天然ガス消費量は906億m3、2.1%増に止まった。
国家発展改革委員会能源研究所の田智宇副研究員によると、数年前に多くの企業が天然ガス需要増を見越して大規模な事業投資を行ない、地方政府も天然ガス消費を促進したが、今は生産能力の増加スピードが消費量の増加スピードを上回っている。また、中国経済の成長鈍化のため、2001〜2010年に年平均15%に上っていた天然ガス消費の伸び率は今では10%以下に下がっている。
ゴールドマンサックスは、2015年下半期の天然ガス価格を3.3ドル/MMBTU、2016年を3.5ドル/MMBTUと予想していたが、今週になって2.75ドル/MMBTUと3ドル/MMBTUに下方修正した。
「天然ガス価格の引き下げは完全に可能だが、当面の引き下げはだぶついている生産量と輸入量を消化するためだ」と田智宇氏は分析し、需給が再び平衡すると天然ガス価格は再び引き上げられることになるとの予想を示す。
業界関係者によると、経済下振れ圧力が強まり、企業収益の悪化が続く中で、経済所管部門は天然ガス価格の引き下げを求めている。同時に価格引き下げを支持する声は環境保護分野からも来ている。なぜなら天然ガスは炭素排出が石炭の半分程度であり、相対的にクリーンなエネルギーと見なされているからである。
韓暁平氏によると、天然ガス価格の高止まりは誤ったシグナルを発している。天然ガスは稼動から使用まで少なくとも3年以上を要し、当面の高い価格のため市場が天然ガスの使用を断念することになれば、天然ガスは長期的に競争力を失うことになる。中国は過去数年間において、ロシアやカタール等と大規模な天然ガス契約を結んだが、韓暁平氏は「契約価格は余りにも高すぎた」と言う。
報道によると、2015年に入ってから国際天然ガス価格は暴落し、中露両企業間に中露ガスパイプライン西線の天然ガス価格をめぐって大きな隔たりが生じ、同事業が先延ばしになっているとのことである。CNPCの天然ガス担当者によると、今なお価格交渉が続けられているが、西線の契約調印と着工がいつになるのかは未だ確定していない。「当面やるべきことは相手方と改めて交渉を進めることだ。問題を解決するには市場を確保し需要を増やすしかないことを理解する必要がある」と韓暁平氏は言う。
韓暁平氏の説は中国企業にも当てはまる。中国の天然ガス価格が高いもう一つの原因には中間コストが高すぎることもあり、その原因は天然ガスの市場化の程度が低いことにある。
天然ガスの輸送と配送プロセスは自然独占の性格が強く、パイプラインの建設と運営は少数の企業が独占している。コストの計算は難しく、天然ガス価格引き下げに対する抵抗力は依然軽視できない。
(新浪財経 7月31日)