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【省エネ・環境】

全国炭素排出権取引管理条例草案が国務院に提出へ (15/08/11)
2015/8/20
中国【省エネ・環境】

 発展改革委員会は8月10日、ウェブサイトにおいて全国炭素排出権取引市場を速やかに確立するため、全国炭素排出権取引管理条例草案を間もなく国務院に提出すると発表した。同条例は、炭素排出権取引制度の実施と炭素排出枠の分配を法律レベルから保障するものになる。中国は米中間の気候変動対策に関する共同声明に従って2030年頃を炭素排出のピークとするとしている。関係機関の予測によると、中国の炭素排出権取引市場が速やかにスタートすることになり、潜在的市場規模は1,000億元に達する。排出削減の技術と設備、炭素排出権取引などを手がける企業にマーケット拡大のチャンスが訪れることになる。

 発展改革委員会気候司は7月29日、全国炭素排出権取引管理条例草案に関する公聴会を開き、行政許可問題に重点を置いて検討を進めた。気候司は条例起草の背景について説明するとともに、炭素排出枠分配管理制度及びと炭素排出権取引審査機関の資格認定の2項目に関わる行政許可の新設について説明した。炭素排出権取引の展開は、低炭素発展の実現を助け、中国の炭素排出ピーク目標を達成する上で重要な手段になる。炭素排出権取引市場の順調な運営を実現するためには、法に基づいて企業の炭素排出枠に対する有効な管理を実施するとともに、炭素排出に対する第三者審査機関に対する資格認定を進めることが求められる。

 米中気候変動対策に関する共同声明に従って、中国は2030年頃をCO2排出のピークとしつつ、出来る限りそれよりも早くピークに達するよう努めることになる。また、2030年には一次エネルギーに占める非化石エネルギーの比率を約20%に引き上げる。中国の炭素排出権市場の整備は現在急速に進んでいる。

 中国は2011年に7省・市において炭素排出権取引実験を始動した。制度整備、ルールの確立、取引プラットフォームの建設はすでに完了しており、昨年末から今年上半期にかけてオンライン取引も次々に始まった。今年3月末時点で7つの炭素排出権取引実験省市の累計成約量は約2,000万トン、成約額は13億元近くに上る。発展改革委員会は今後、この7つの省市の実験を基礎に、全国的な炭素排出権取引市場を建設して、2016年の運営開始を目指す。

 関係機関の予測によると、全国炭素排出権取引市場の確立に伴い、第1段階のスポット市場の取引規模は27〜50億元になる。EUの総取引量に占めるスポット取引市場の比率がわずか5%であることを考えると、市場が成熟すれば、中国の炭素取引市場は1,000億元クラスになるだろう。

 (網易財経 8月11日)