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中国
【エネルギー全般・政治経済】

「インターネット+」は中国スマートエネルギー発展の新たなモデル (15/08/12)
2015/8/20
中国【エネルギー全般・政治経済】

 国務院は《インターネット+行動の積極的推進に関する指導意見》を通達し、国家能源局が中心になり、国家発展改革委員会、工業情報化部等も分担して、インターネットを通したエネルギーシステムの平準化、エネルギー生産・消費モデル革命の推進、エネルギー利用効率の向上、省エネ・排出削減の推進を提唱した。また、分散型エネルギーネットワークの建設、再生可能エネルギーのシェア引き上げ、エネルギー利用構造の最適化、発電施設と電力利用システムのスマート化、電力系統の安全性・安定性・信頼性の向上を打ち出した。

 中国の国民経済とエネルギー並びに電力の発展は深刻な情勢に直面している。2014年の世界の炭素排出総量の中で中国は29%を占め、世界最大である。化石エネルギーの使用によって深刻なスモッグがもたらされている。再生可能エネルギーの大規模な開発利用を進めて、そのシェアを高めることが急務である。2014年末に中国の風力発電設備とソーラー設備の系統連系容量は1.2億kWに達しているが、総発電量に占めるシェアはわずか3.2%に過ぎず、電力の多くを担うことは難しい。中国のエネルギー利用効率は全体的に低下し、総合エネルギー利用効率は40%足らずである。早急に引き上げてエネルギー消費総量を減らすことが求められる。電力グリッドが変動性の高い再生可能エネルギー電力を受け入れる能力は限られており、風力発電等の再生可能エネルギーを大規模に受け入れる有効な解決方法は未だ見つかっていない。総合的な解決案を模索する必要がある。

 「スマートエネルギー」の「スマート」は「インターネット+」がもたらす技術革命に止まってはならず、むしろ特高圧(UHV)がもたらす発展モデルと応用モデルの転換でなければならない。「インターネット+」スマートエネルギーという重点行動はエネルギー発展の新モデルを模索するものである。第1に、エネルギーの相互ネットワークを促進し、一次エネルギー並びに二次エネルギーの総合利用効率を高める。第2に、インターネットとそれを拡張させたネットワーク技術を参考に、プラグアンドプレイ、エネルギールーター、ビッグデータ、クラウドコンピューティングによって、エネルギーシステム、特に分散型再生可能エネルギー、マイクログリッド、ユーザーのエネルギー生産並びに消費、市場管理並びにサービスをサポートする。第3に、エネルギー生産・消費・サービスの新しい業態とビジネスモデルの誕生を促す。新世代の中国スマートエネルギーシステムは電力を中心とし、スマートグリッドを基幹とするスマートエネルギーネットワークを構築する。これにより、長年の各種エネルギー計画においてバラバラの縦割りや効率的なエネルギー市場配置の欠如といったシステム的な欠陥を克服する。特に特高圧による遠距離送電に依拠するスマートグリッドにより、資源のアンバランスの問題を解決することが出来る。

 こうして見てくると、「インターネット+」の条件の下において、電力グリッドは大規模な新エネルギー電力の伝送と分配のネットワークになり、未来の発展をサポートしリードする役割を発揮することになる。経済形態に絶え間なく変化をもたらし、中国的な特色を備える特高圧技術とスマートエネルギーのビジョンをより良く結び付け、クリーン・エネルギーの送電容量を拡大してその急成長を促進し、延いてはエネルギーの生産・消費モデルの革命を推進する。電力グリッドのイノベーション能力を増強して、電力系統の安全性、安定性、信頼性を高め、経済と社会発展の新たな優位と新たな原動力を構築して、世界の経済と社会にも発展をもたらすのである。

 (中国電力新聞網 8月12日)