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【石油・天然ガス】

天然ガス需要鈍化で価格改革が焦眉の急 (15/08/14)
2015/8/20
中国【石油・天然ガス】

 国際原油価格の大幅な下落、マクロ経済の鈍化、LPGや重油等からの代替性の減退などで、天然ガスの需要は低下傾向にある。国内LNG市場価格の下落に加え、輸入LNGターミナルの価格引き下げで、市場関係者は天然ガス市場の先行きに悲観的であり、天然ガス価格引き下げ予想を強めている。

 発展改革委員会は非民生用シティゲート価格の引き下げを検討しており、市場は引き下げ幅を0.4〜1.0元/ m3と予想しているが、未だ確定していない。隆衆石化網によると、引き下げ幅を最高1.0元/m3として試算すると、トン当たりでは1,500元近くの引き下げになり、下落幅が大きすぎる。引き下げ幅を0.4元/ m3として計算すると、トン当たり500〜600元の下落幅になり、コントロール可能な範囲である。隆衆石化網は、引き下げ幅は0.4〜0.5元/m3になると予想している。

 2016年唐山世界庭園博覧会の開催や2022年冬季オリンピック招致の成功により、北京・天津・河北地区や延いては全国の環境に対しても厳しい条件が打ち出されることになる。新型省エネ・環境保護燃料としての天然ガスにはチャンスとチャレンジが並存する。LNG企業は供給過剰のため価格引き下げを迫られているが、将来の需要見通しは依然良好である。

 世界経済の成長鈍化を受けて、中国の天然ガス需要は低下し、価格は逆さやになっている。天然ガス供給源の多様化により、市場は以前の供給が需要に追いつかない状況から、供給が需要を上回る状況に転じた。報道によると、ロシアのGazpromと中国石油天然ガス集団(CNPC)は中露天然ガスパイプライン西線事業の契約調印を無期限凍結したとのことである。国際的な天然ガス価格の暴落を受けて、中露企業の間に西線の天然ガス価格をめぐって大きな隔たりが生じており、西線の契約調印と着工がいつになるのか決められないままである。中国の天然ガス価格が高い原因には中間コストが高すぎることもある。そのことは天然ガスの市場化レベルが低い原因でもある。

 隆衆石化網のガスアナリストである趙桂珍氏の見方によると、天然ガス需要の鈍化によって中国のLNGの市場化プロセスが加速する可能性もある。国は天然ガスの価格決定システムを完備することを迫られており、発展改革委員会にとっては価格改革が焦眉の急である。

 (新浪財経 8月14日)