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【電力】

「電力シルクロード」核心ブロックとして新疆の地位が日増しに突出 (15/09/02)
2015/9/9
中国【電力】

 シルクロード経済ベルト核心区である新疆は目下「域内」「域外」路線を並行して進め、域内の電力網と域外へ通じる送電ルートの建設をともに加速させている。新疆「電力シルクロード」の核心的地位は日増しに突出しつつある。

 国家電網新疆電力公司によると、投資の持続的強化に伴って、新疆電網の運転設備規模はすでに5,500万kWを超え、前年同期より21%増加した。計画によると、今年は新疆区域内の主電力網は220kVから750kVに引き上げられ、第13次5ヵ年規画期には、新疆全体をカバーする天山東、天山西、カシュガル州核心区及び環タリムの4件の750kV環状網も稼動することになる。

 現時点では、新疆初の750kV小型環状網になるウルムチ昌吉都市圏環状網もすでに稼動しており、南疆地区初の750kV送変電プロジェクトも終盤に進んでいる。この「クチャ−アクス−巴楚−カシュガル750kV送変電プロジェクト」が完成すると、新疆電網から南疆地区への送電能力は10倍以上に拡大する。

 新疆は域外への送電も加速させている。2010年に新疆と西北電網の連結プロジェクトによって新疆からの送電が始まり、2014年1月には初の「疆電外送」特高圧(UHV)プロジェクトになるハミ−鄭州±800kV送電線が稼動した。付帯電源の増設や対外送電ルートの拡充により、新疆の対外送電量は今年7月末時点で累計400億kWhを超えている。これは標準炭換算で1,200万トンの石炭を輸送したことに相当する。

 先日、華東に到る新疆第2の大型送電ルートが国から承認され、年内にも着工されることになる。ジュンガル東−華東±1100kV特高圧DCプロジェクトであり、ジュンガル東炭田の石炭を電力に転化する。電力を受け入れる安徽を初め沿線各省に恩恵が及ぶとともに、新疆電網の運転の安定度向上や現地の雇用、税収増、経済発展にもつながる。

 一方、中国の周辺国向け電力発展構想も新疆に恩恵をもたらすことになる。新疆イリ−パキスタン±660kVDC送電事業はFSがすでに完成しており、将来的には中国とパキスタンの電力融通の実現も計画されている。「一帯一路」(シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロード)建設の加速に伴い、複数の国々と国境を接する新疆は中国から国外への「電力シルクロード」の連接点並びに核心ブロックになると期待される。

 新疆は石炭資源が豊かであるとともに、風力やソーラー等のグリーンエネルギーも大きい。新疆の電力部門によると、大型電力網の建設過程において、新疆は「電力シルクロード」核心ブロックの地位実現に努め、「石炭を空中に走らせて電力を全中国に送る」という新たな構造の創出を目指す。

 (新華網 9月2日)