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【石炭】

石炭輸入が4割超の大幅減 中国政府は会議を38回開いて石炭産業救済を画策 (15/09/28)
2015/10/5
中国【石炭】

 中国の石炭需要が萎縮し、石炭輸入量の低下も続いている。

 中国税関総署の最新統計によると、8月期の中国の一般炭輸入は720万トンで、前年同月比24.4%下がったが、前月比では8万トン増加し、伸び率は1%で4ヵ月来の最高になった。

 1〜8月の中国の一般炭輸入量は5,667万トン、前年同期比40.5%減になった。

 エネルギー産業は目下構造的な変革が進みつつある。9月22日に開かれた「2015年第5回エネルギー高層対話」に対する《証券日報》の取材から、石油と石炭等のエネルギー価格の引き下げが業界関係者の討論の焦点になっていることが分かった。

 中国煤炭工業協会の彭建勲副会長は、石炭産業は需要減速期、過剰生産能力と在庫の解消期、環境制約強化期、構造調整強化期に入っており、この「4期」が並存する発展段階にあると表明した。経済発展の「新常態」の下で石炭産業は新たな特徴と動向を呈している。

 関連研究によると、中国の一次エネルギーに占める石炭の比率は、2020年には62%、2030年には55%、2050年には50%になり、全体的に低下傾向が続く。石炭需要は伸び率が下がるものの、総量では依然適度の増加を維持する。

 「発展スピードを見ると、中国経済の高速成長から高中速成長への転換に伴い、石炭消費が年平均2億トン余り増加していた時代はすでに終わった。石炭需要の伸び率の鈍化は石炭発展の『新常態』になるだろう」と彭建勲は指摘した。2012年下半期以降、中国の石炭経済の下振れはすでに3年余り続いている。今年に入ってからは、石炭の需要不足と生産能力過剰、依然大きい輸入総量の矛盾がますます突出し、今年の石炭輸入は昨年を約8,000万トン下回ると予想される。全国の石炭在庫の高止まりが続き、価格が大幅に下落し、秦皇島5,500キロカロリー一般炭は860元/トンから今では400元/トン前後に下がった。企業の赤字はさらに大きくなり、経営はますます困難になって、石炭経済の下振れ傾向はより一層厳しくなっている。

 近年の石炭経済の持続的低下傾向については、党と政府も高度に重視しており、国務院の指導幹部は度々重要指示を出して、石炭産業の苦境脱却対策の検討と部署を進めた。昨年、苦境脱却の仕組みを確立して以来、すでに38回にわたって会議を開き、様々な政策措置を策定した。こうした政策措置の効果は現れつつある。

 「中国煤炭工業協会は石炭製品、炭鉱生産、石炭機械設備、現代化炭鉱の建設、地質探査、石炭化学工業等々の『走出去』(対外進出)の推進に力を入れている」と彭建勲は強調した。

 石炭産業だけでなく、石油産業も価格下落で苦境に直面している。国務院国有重点大型企業監事会の趙華林主席は次のように表明した。エネルギー価格の下落によってエネルギー使用企業のエネルギーコストが低下している。石油と天然ガス価格の下落は、石炭を主とする長年のエネルギー構造を変えている。このような構造的変化は深遠かつ長期的であり、一種の流れでもある。

 (中国能源網 9月28日)