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中国
【石炭】

国有企業改革により石炭企業に苦境脱却の転機到来か (15/09/28)
2015/10/5
中国【石炭】

 「国有企業改革のトップレベルデザイン」と呼ばれる《国有企業改革の深化に関する指導意見》が「落着」したことは、3年間にわたる厳しい冬を過ごしてきた石炭企業にとって重大な意義を有する。石炭産業の90%は国有企業が主体であり、一次エネルギー企業として、石炭企業は全方位で深層レベルの企業改革に直面することになろう。

 石炭産業が目下直面している最大の困難は下流の需要不足と深刻な生産能力過剰である。2012年以降の石炭価格下落で、赤字の石炭企業の比率は70%以上に達している。今回公布された指導意見は、優勝劣敗の市場化された退出メカニズムを確立し、失業救済、再雇用や職業訓練等の役割を発揮して職員の落ち着き先の問題を解決しつつ、法に基づいて企業が閉鎖や破産を実現できるよう確保すること、低効率・無効率の資産の処置を速やかに行なって老朽化生産能力を淘汰することを打ち出している。石炭産業が全体的に低迷し、さらには悪化する状況にあっては、生産能力が低下し資源が枯渇している炭鉱の退出を助けることもまた石炭企業救済の一つの側面になる。
 
 また、指導意見は、国の安全と国民経済の命脈に関わる重要産業及び分野で重大専門任務を担う商業類の国有企業については、国有資本の経営支配を維持しつつ、非国有資本の資本参加を支持することについても言及している。中国の主要エネルギーとしての石炭の地位を短期間で変えることが難しいことを考慮すると、大部分の企業は国有資本の経営支配を維持する必要はあるものの、非国有資本を引き入れることも可能になる公算である。

 中国の石炭産業は高度の二極分化が進んでいる。極の一つは「小・散・乱」と言われる小炭鉱であり、そこでは民間資本が極めて強い勢いを示している。もう一つの極は国有資本の大型石炭企業であり、外部資本が殆どなく、参入する機会も少ない。

 石炭改革とはこうした独占を打破することである。独占を打破する手段は石炭資源の市場化であり、もっと多くの投資家が競争を通して参入出来るようにすることである。そうして石炭産業全体の効率と技術・管理水準を高め、生産の大規模化によってトン当たりのコストを引き下げるのである。石炭企業の混合所有制改革を推進し、株式の多元化を実現し、混合所有制企業の従業員の持ち株を模索する。この大きな変革の潮流の中では最も行動の早い者が最も大きい利益を得ることになる。国からの政策支援に依拠して、主動的に転換と発展を図り、石炭の安全・低公害採掘とクリーンで効率的な利用を前向きに発展させるとともに、石炭以外の産業を開拓することで、国有石炭企業もようやく久しぶりの春を迎えることになろう。

 (深セン商報 9月28日)