習近平国家主席の米国公式訪問中に米中両国は最新の「米中気候変動共同声明」を発表した。 米中首脳は2014年11月に気候変動共同声明を発表しており、今回改めて気候問題の共同声明を発表したことになる。 中国国家気候変動対応戦略研究国際協力センターの鄒副主任によると、今回の共同声明において、米中両国は気候変動をめぐる協力をさらに深め、詳細に規定している。「共同だが差異のある責任の問題については、今回の声明ではさらなる深化と進展があった。昨年はこの原則に同意しただけであったが、今年は原則を認めただけでなく、(協議の)具体的な要素においても(原則を)体現するよう求めている。もう一つの重要な内容は地球の気候管理問題をめぐって、透明度の問題が欠かせない部分になったことだ。米中双方は透明度問題の重要性を強調し、透明度を高めることで相互の信頼と自信を強化しようとしている」と鄒副主任は指摘する。 資金面についても今回の共同声明の表現はより具体的なものになっている。双方は先進国が2020年まで途上国の資金需要を賄うため、毎年1,000億ドルを調達するとの目標を承諾したことに改めて言及した。そして、米国はグリーン気候基金に30億ドルを拠出することを承諾し、中国は発展途上国の気候変動対応を支援するため、200億人民元を拠出して「中国気候変動南南協力基金」を開設することを宣言した。 鄒副主任は、資金問題をめぐって米中両国がコンセンサスに達したことは、今年末のパリ会議での合意に新たな動力を注入するものであるとの見方を示した。 中国が国内の気候行動の面で承諾を行なったことも成果の一つになる。共同声明において、中国は2030年の単位GDP当たりCO2排出を2005年比で60〜65%引き下げるとした。国家気候変動専門家委員会副主任であり清華大学低炭素経済研究院院長でもある何建坤氏は、このことは中国が先進諸国よりも大きな努力を払うことを意味すると指摘し、「CO2の排出を増やさないということは、石炭や石油のような化石エネルギーを増やさないということだ。増やすのは水力発電、風力発電、ソーラー、原子力発電だ。これは風力発電を毎年2,000万kW、ソーラー発電を2,000万kW、原子力発電を1,000万kW新たに建設するのに等しい。このような発展を維持することでようやくピークに達することが可能になる。このような条件は先進諸国には備わっていない」と述べた。 共同声明は中国が再生可能エネルギー発電と高効率発電の電力を優先的に運用することについても言及している。また、中国は低炭素建築と低炭素交通を推進することをも承諾しており、2020年には都市の新規建築においてグリーンビルディングの比率を50%にするとしている。 注目すべきは、中国が2017年には鉄鋼、電力、化学工業、建材、製紙や非鉄金属などの重点業種をカバーする全国的な炭素排出権取引システムを始動することである。鄒副主任は「全国的な炭素市場を育成するには大量かつ綿密な作業が必要だ。市場のインフラ、企業レベルのカーボンアカウンティング、報告制度、統計・取引制度、全国範囲では電力、冶金、化学工業など特定の高排出部門や重点排出源をどのように管理すべきか。これは新しい体制であり、困難な任務になる。しかし、中国の決心は固い。こうした政策を実現しない限り、2020年と2030年の目標を達成できないからだ」と述べた。 (鳳凰資訊 9月28日)
習近平国家主席の米国公式訪問中に米中両国は最新の「米中気候変動共同声明」を発表した。
米中首脳は2014年11月に気候変動共同声明を発表しており、今回改めて気候問題の共同声明を発表したことになる。
中国国家気候変動対応戦略研究国際協力センターの鄒副主任によると、今回の共同声明において、米中両国は気候変動をめぐる協力をさらに深め、詳細に規定している。「共同だが差異のある責任の問題については、今回の声明ではさらなる深化と進展があった。昨年はこの原則に同意しただけであったが、今年は原則を認めただけでなく、(協議の)具体的な要素においても(原則を)体現するよう求めている。もう一つの重要な内容は地球の気候管理問題をめぐって、透明度の問題が欠かせない部分になったことだ。米中双方は透明度問題の重要性を強調し、透明度を高めることで相互の信頼と自信を強化しようとしている」と鄒副主任は指摘する。
資金面についても今回の共同声明の表現はより具体的なものになっている。双方は先進国が2020年まで途上国の資金需要を賄うため、毎年1,000億ドルを調達するとの目標を承諾したことに改めて言及した。そして、米国はグリーン気候基金に30億ドルを拠出することを承諾し、中国は発展途上国の気候変動対応を支援するため、200億人民元を拠出して「中国気候変動南南協力基金」を開設することを宣言した。
鄒副主任は、資金問題をめぐって米中両国がコンセンサスに達したことは、今年末のパリ会議での合意に新たな動力を注入するものであるとの見方を示した。
中国が国内の気候行動の面で承諾を行なったことも成果の一つになる。共同声明において、中国は2030年の単位GDP当たりCO2排出を2005年比で60〜65%引き下げるとした。国家気候変動専門家委員会副主任であり清華大学低炭素経済研究院院長でもある何建坤氏は、このことは中国が先進諸国よりも大きな努力を払うことを意味すると指摘し、「CO2の排出を増やさないということは、石炭や石油のような化石エネルギーを増やさないということだ。増やすのは水力発電、風力発電、ソーラー、原子力発電だ。これは風力発電を毎年2,000万kW、ソーラー発電を2,000万kW、原子力発電を1,000万kW新たに建設するのに等しい。このような発展を維持することでようやくピークに達することが可能になる。このような条件は先進諸国には備わっていない」と述べた。
共同声明は中国が再生可能エネルギー発電と高効率発電の電力を優先的に運用することについても言及している。また、中国は低炭素建築と低炭素交通を推進することをも承諾しており、2020年には都市の新規建築においてグリーンビルディングの比率を50%にするとしている。
注目すべきは、中国が2017年には鉄鋼、電力、化学工業、建材、製紙や非鉄金属などの重点業種をカバーする全国的な炭素排出権取引システムを始動することである。鄒副主任は「全国的な炭素市場を育成するには大量かつ綿密な作業が必要だ。市場のインフラ、企業レベルのカーボンアカウンティング、報告制度、統計・取引制度、全国範囲では電力、冶金、化学工業など特定の高排出部門や重点排出源をどのように管理すべきか。これは新しい体制であり、困難な任務になる。しかし、中国の決心は固い。こうした政策を実現しない限り、2020年と2030年の目標を達成できないからだ」と述べた。
(鳳凰資訊 9月28日)