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【石油・天然ガス】

地方製油企業の東明石化がBPと長期原油供給契約に調印 (15/11/13)
2015/11/16
中国【石油・天然ガス】

 外電によると、11月11日、山東東明石化集団とBPが長期原油供給契約に調印した。中国が原油輸入使用権を開放して以来、中国の民営企業が外国企業と原油供給契約を結ぶのは今回が初めてになる。
 
 東明石化は今年5月、初めて輸入原油使用権を獲得する地方製油企業の一つになり、8月には原油非国営貿易輸入資格も取得した。輸入原油使用権と輸入権を同時に取得する地方民営製油企業は東明石化が第一号になる。

 東明石化は山東省と江蘇省の製油所に合計1,500万トン/年の原油精製能力を有している。同社が取得している年度原油輸入枠は750万トンになる。同社の張留成副総裁は今回のBPとの具体的な契約量を公表しないとしている。

 東明石化がBPに発注した原油の第一陣は2016年2月に到着する予定である。張留成副総裁によると、同社が現行の製油を賄うには毎月2〜3隻の大型タンカーによって原油を輸入しなければならず、BP以外の原油サプライヤーとも商談を進めている。

 ICISエネルギー研究総監の李莉氏は次のように指摘した。原油の輸入権と使用権を開放された地方製油企業は海外からの長期的な原油調達によって原油の安定供給を確保するだけでなく、調達価格でも優遇を求めることが可能になり、企業の生産コストを節約することができる。石油・天然ガス改革が徐々に広がると、今後ますます多くの民営企業が外国石油企業と協力するようになる。原油の輸入権と使用権の開放によって、民営企業は低価格の原油を長期安定的に獲得できるようになる一方、外資にはビジネスチャンスがもたされる。東明石化を皮切りに、今後ますます多くの地方製油企業が同じような形で外国企業との協力を進めることになる。

 中国能源網首席情報官の韓暁平氏も、石油・天然ガス改革の逐次実施に伴い、今後ますます多くの民営企業が原油供給で外資と協力するようになると指摘し、長期的に見て、民営企業と外国企業の協力は中国の石油化学市場と石油大手2社(CNPCとSINOPEC)に一定の衝撃を与え、大手2社も効率向上と改革を迫られるとの予想を示した。

 現在、東明石化、盤錦北瀝、宝塔石化、亜通石化、墾利石化、利津石化の6社の地方製油企業が原油輸入資格を取得しており、原油輸入枠は合計3,474万トンに達する。商務部の先月末の公告によると、2016年の原油非国営貿易輸入枠は8,760万トンになり、今年の3,760万トンから5,000万トンも増加することになる。

 (毎日経済新聞 11月13日)