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【石油・天然ガス】

中露エネルギー協力委員会第12回会議 12月にはヤマルLNG事業契約に調印へ (15/11/17)
2015/11/19
中国【石油・天然ガス】

 中露エネルギー協力委員会の中国側議長の張高麗副首相とロシア側議長のドボルコビッチ副首相が11月16日、北京で同委員会の第12回会議を開いた。

 双方はシルクロード経済ベルトとユーラシア経済連合の連携を契機にエネルギー協力でも連携を推進し、エネルギー長期協力計画を適切に進め、両国のエネルギー協力の持続可能な発展を実現することを決定した。具体的には次のようになる。

 (1) 計画に従って天然ガスパイプライン東線の建設を推進するとともに、エネルギー上流・下流一体化協力のコンセンサスに基づき、天然ガスパイプライン西線とヤマルLNG事業を推進する。

 (2) 中露原油パイプラインの順調な運営を確保し、原油供給の増加を前向きに実施する。中国国内の複線パイプラインの建設を推進するとともに、天津合弁製油所の建設を適正に実施に移す。

 (3) 電力、石炭、原子力、再生可能エネルギーをめぐる協力を推進する。エネルギー技術、自国通貨による決済、エンジニアリングサービスなどを対象に新たな協力を広げる。

 (4) エネルギー設備をめぐる協力を速やかに展開し、エネルギー各分野の標準についても連携と協力を強化する。

 会談後、張高麗副首相とドボルコビッチ副首相は《中露エネルギー協力委員会第12回会議紀要》に調印した。

 なお、中国とロシアは12月にヤマルLNG事業協定に調印する見通しである。ヤマル事業は世界最大の天然ガス事業になる。ドボルコビッチ副首相によると、ヤマルLNG事業をめぐる主要問題は全て解決しており、中国のシルクロード基金の持ち株の追加についてもコンセンサスに達した。主要条項はすでに妥結している。融資と工期については依然交渉中であるが、12月には調印出来る見通しである。

 ヤマルLNG事業は総投資額270億ドル、うち200億ドルを中国側が融資し、大部分の設備は中国から調達する。ロシア第2の天然ガス供給企業Novatekが筆頭株主であり、持ち株比率は50.1%になる。中国石油天然ガス集団(CNPC)とトタルの持ち株は各20%になる。

 Novatekによると、ヤマル事業で将来生産されるLNGの大部分は中国へ輸出される。NovatekはすでにCNPCと年間300万トンの供給で合意している。

 なお、油価暴落の影響で遅延している中露パイプライン西線−シベリアの力2パイプライン交渉について、ロシア天然ガス企業Gazpromは先日、ロシアから中国への天然ガス供給開始時期がもともと約定していた2019年から2012年に延期されることを認めた。この点について、GazpromのミレルCEOは、主要問題は価格交渉であると表明し、最終合意に達するのは来年上半期になるとの見通しを示した。

 (新華社 11月17日)