1. HOME
  2. 中国 【石炭】

中国
【石炭】

中国煤炭工業協会が炭鉱退出の仕組みについて政策建議案を起草 (15/11/19)
2015/11/25
中国【石炭】

 石炭産業の「厳冬」が続き、石炭価格はピークに比べ58%下落し、2004年末の水準に戻った。こうした傾向は未だに止む兆しがない。

 石炭の生産能力過剰問題を解決するため、中国煤炭工業協会は炭鉱退出メカニズムに関する政策建議案を起草した。中国煤炭工業協会の姜智敏副会長が11月17日に明らかにした。

 姜智敏副会長によると、国家発展改革委員会、能源局、国家炭鉱安全監察局など複数の部門は合同で山西・陝西・内蒙古の違法建設・生産炭鉱に対するサンプル調査を行い、炭鉱の生産能力超過生産を厳正に規制する専門行動を展開した。一方、中国煤炭工業協会は関係政府部門と協力して炭鉱退出メカニズムの確立について研究を進め、政策建議の素案を起草した。

 中国煤炭工業協会が17日に発表したデータによると、全国石炭在庫は10月末まで46ヵ月連続で3億トンを超えている。所謂「黄金の10年」において石炭投資の急速な増加が続いたため、生産能力過剰の解消は難度が極めて高くなっている。2014年末時点でも建設中の石炭生産能力は10億トンを超えており、一部の地方や石炭企業の違法建設・生産や能力超過生産等の問題は極めて深刻である。

 国務院の《エネルギー発展戦略行動計画(2014〜2020年)》は2020年に石炭消費に比重を62%以下に抑えるとしているが、2014年の中国のエネルギー消費総量42.6億tce(標準炭換算トン)に占める石炭の比重は約66%に上っており、第13次5ヵ年規画期末の目標の62%には一定の距離がある。

 中国煤炭工業協会の分析によると、経済成長の鈍化、非化石エネルギーの急速な発展、環境保護からの制約の強化、エネルギー多消費製品の生産量低減などにより、石炭需要は抑制を受けている。例えば4大石炭多消費産業の中で化学工業の1〜10月の石炭消費量は前年同期比8.7%のプラスになったものの、電力の石炭消費は6.4%、鉄鋼は3.4%、建材は8.1%のマイナスになった。

 中国煤炭工業協会のデータによると、今年1〜10月の中国の石炭消費量は32.3億トンになり、前年同期に比べ1.6億トン、4.7%減少した。中国の昨年の石炭消費量は15年ぶりにマイナスになったが、その後も石炭消費の低下傾向が続いている。

 国のエネルギー消費総量の調節や非化石エネルギー消費比重を高める政策が絶えず強化され、それに伴い石炭需要の鈍化は一種の「常態」になる。1〜10月の全国石炭生産量は前年同期に比べ3.6%減少し、価格も大幅に下落した。特に一般炭価格の下落が際立っており、過去最高値に比べ58%近く下がって2004年末の水準に戻った。
 
 (中国煤炭交易中心 11月19日)