「一帯一路」戦略は具体的な実施段階へと押し上げられつつある。対外協力のハイライトになるエネルギー専門計画はすでに原案が確定しており、意見募集と修正段階に進んでいる。当面の構想によると、「一帯一路」の石油ガス協力は6大重点分野が焦点になる。すなわち、「4つの協力エリア」と「6つの産業パーク」の推進、石油・天然ガス取引センターの確立・完備、新たな陸海中継輸送航路の開拓、アジア石油・天然ガス動脈の構築、世界レベルの多国籍石油・天然ガス企業の育成、エネルギー設備製造企業及びエネルギーサービス企業の「走出去」(対外進出)推進である。 《シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロード共同建設推進のビジョンと行動》の発表以来、中央政府は「一帯一路」指導小組を設置して、発展政策の検討と部署を進めてきた。すでに全国31の省・自治区・直轄市と新疆生産建設兵団も「一帯一路」建設実施に対応する方案を次々に公布し、一群の重点エネルギー・資源協力事業も着工されつつある。 また、中央政府も多数の部局がそれぞれの実施方案を策定し、専門計画の起草にも着手している。中でも国家能源局は今年5月、「一帯一路」戦略国際エネルギー協力推進会議を開いて、役割分担を明確にした。当面の構想によると、石炭、石油・天然ガス、金属、鉱産など在来型エネルギー・資源の探査開発をめぐって協力を深めるとともに、水力発電、原子力発電、風力発電、ソーラーなどクリーン・エネルギーと再生可能エネルギーをめぐる協力についても積極的に推進することになる。また、エネルギー・資源の現地における加工と転換をめぐって協力を推進し、エネルギー・資源協力によって上流と下流が一体化した産業チェーンの形成を図る。 国際エネルギー協力計画に参加している関係者は「上流は石油と天然ガスを並行して進めることを堅持し、主に中央アジア−ロシア地域、中東地域、アフリカ地域、ラテンアメリカ地域に重点を置く。下流の協力は資源国と消費国における石油化学基地、技術研究開発基地、設備製造基地の建設に重点を置く。中国西部地区、中央アジア地域のカザフスタン、パキスタンのグワダル港、中東地域、ロシア極東地区、東南アジア地域に重点を置いて部署を進め、6大産業パークを形成する」と述べた。 中流の協力は石油・天然ガスパイプライン網の相互連系、アジア石油・天然ガス動脈の構築及び地域的ネットワーク構造の形成に重点を置く。特に中国と中央アジア−ロシア地域をつなぐ原油パイプラインの建設を重点的に進めて、中国の陸上原油輸入ルートの輸送能力を大幅に高める。同時に、中国東北とロシア東部をつなぐ天然ガスパイプライン、中央アジアの天然ガス生産国と南アジアの消費国をつなぐ天然ガスパイプラインや、中東地域と東南アジアの複数の国を横断する天然ガスパイプライン等のパイプライン網を重点的に構築する。 海上ルートについては、マラッカ海峡など旧来の輸送ルートの安全な構築を強化するとともに、新しい陸海中継航路を開拓して、ルートをより一層多元化し、チャンネルを増やす。 石油・天然ガス取引センターの確立・完備も「一帯一路」戦略の重点になる。「上海国際エネルギー取引センターの原油先物は優れた手本になる。将来は新疆や西南地区でも取引センターの確立を検討し、地域的な市場価格の形成を急ぐ。同時に周辺国と連携して地域的な石油・天然ガス金融市場の建設を急ぎ、アジア石油・天然ガス貿易システムの形成を推進する。そうなれば、長年のアジアプレミアム問題を解決して、石油・天然ガス貿易のコストを出来る限り引き下げることが可能になる」と前出の国際エネルギー協力計画の関係者は言う。 石油・天然ガス取引センターの建設においては、様々なプレイヤーが参加するよう石油金融市場を開放し、国内企業の石油デリバティブ市場取引に対する制限を緩和し、国外の取引プレイヤーや国外ヘッジファンドが参加するよう引き入れなければならない。同時に金融市場に関連する法体系の確立と健全化を進め、東アジア地域に適用する合理的な取引ルールを提示し、デリバティブ市場を規範化し、違法行為を取り締まって、取引所と投資家のリスクを低減させる。 その他にも、中央系石油企業は「一帯一路」戦略の実施を追い風に多国籍経営戦略を推進して、世界レベルの多国籍石油ガス企業に成長しなければならない。また、一群の重要エネルギー事業の建設は、中国のエネルギー分野のシンクタンク、エネルギー設備製造企業、エネルギーサービスやエンジニアリングなど関連企業の「走出去」にも極めて大きなチャンスをもたらすことになる。 (経済参考報 11月26日)
「一帯一路」戦略は具体的な実施段階へと押し上げられつつある。対外協力のハイライトになるエネルギー専門計画はすでに原案が確定しており、意見募集と修正段階に進んでいる。当面の構想によると、「一帯一路」の石油ガス協力は6大重点分野が焦点になる。すなわち、「4つの協力エリア」と「6つの産業パーク」の推進、石油・天然ガス取引センターの確立・完備、新たな陸海中継輸送航路の開拓、アジア石油・天然ガス動脈の構築、世界レベルの多国籍石油・天然ガス企業の育成、エネルギー設備製造企業及びエネルギーサービス企業の「走出去」(対外進出)推進である。
《シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロード共同建設推進のビジョンと行動》の発表以来、中央政府は「一帯一路」指導小組を設置して、発展政策の検討と部署を進めてきた。すでに全国31の省・自治区・直轄市と新疆生産建設兵団も「一帯一路」建設実施に対応する方案を次々に公布し、一群の重点エネルギー・資源協力事業も着工されつつある。
また、中央政府も多数の部局がそれぞれの実施方案を策定し、専門計画の起草にも着手している。中でも国家能源局は今年5月、「一帯一路」戦略国際エネルギー協力推進会議を開いて、役割分担を明確にした。当面の構想によると、石炭、石油・天然ガス、金属、鉱産など在来型エネルギー・資源の探査開発をめぐって協力を深めるとともに、水力発電、原子力発電、風力発電、ソーラーなどクリーン・エネルギーと再生可能エネルギーをめぐる協力についても積極的に推進することになる。また、エネルギー・資源の現地における加工と転換をめぐって協力を推進し、エネルギー・資源協力によって上流と下流が一体化した産業チェーンの形成を図る。
国際エネルギー協力計画に参加している関係者は「上流は石油と天然ガスを並行して進めることを堅持し、主に中央アジア−ロシア地域、中東地域、アフリカ地域、ラテンアメリカ地域に重点を置く。下流の協力は資源国と消費国における石油化学基地、技術研究開発基地、設備製造基地の建設に重点を置く。中国西部地区、中央アジア地域のカザフスタン、パキスタンのグワダル港、中東地域、ロシア極東地区、東南アジア地域に重点を置いて部署を進め、6大産業パークを形成する」と述べた。
中流の協力は石油・天然ガスパイプライン網の相互連系、アジア石油・天然ガス動脈の構築及び地域的ネットワーク構造の形成に重点を置く。特に中国と中央アジア−ロシア地域をつなぐ原油パイプラインの建設を重点的に進めて、中国の陸上原油輸入ルートの輸送能力を大幅に高める。同時に、中国東北とロシア東部をつなぐ天然ガスパイプライン、中央アジアの天然ガス生産国と南アジアの消費国をつなぐ天然ガスパイプラインや、中東地域と東南アジアの複数の国を横断する天然ガスパイプライン等のパイプライン網を重点的に構築する。
海上ルートについては、マラッカ海峡など旧来の輸送ルートの安全な構築を強化するとともに、新しい陸海中継航路を開拓して、ルートをより一層多元化し、チャンネルを増やす。
石油・天然ガス取引センターの確立・完備も「一帯一路」戦略の重点になる。「上海国際エネルギー取引センターの原油先物は優れた手本になる。将来は新疆や西南地区でも取引センターの確立を検討し、地域的な市場価格の形成を急ぐ。同時に周辺国と連携して地域的な石油・天然ガス金融市場の建設を急ぎ、アジア石油・天然ガス貿易システムの形成を推進する。そうなれば、長年のアジアプレミアム問題を解決して、石油・天然ガス貿易のコストを出来る限り引き下げることが可能になる」と前出の国際エネルギー協力計画の関係者は言う。
石油・天然ガス取引センターの建設においては、様々なプレイヤーが参加するよう石油金融市場を開放し、国内企業の石油デリバティブ市場取引に対する制限を緩和し、国外の取引プレイヤーや国外ヘッジファンドが参加するよう引き入れなければならない。同時に金融市場に関連する法体系の確立と健全化を進め、東アジア地域に適用する合理的な取引ルールを提示し、デリバティブ市場を規範化し、違法行為を取り締まって、取引所と投資家のリスクを低減させる。
その他にも、中央系石油企業は「一帯一路」戦略の実施を追い風に多国籍経営戦略を推進して、世界レベルの多国籍石油ガス企業に成長しなければならない。また、一群の重要エネルギー事業の建設は、中国のエネルギー分野のシンクタンク、エネルギー設備製造企業、エネルギーサービスやエンジニアリングなど関連企業の「走出去」にも極めて大きなチャンスをもたらすことになる。
(経済参考報 11月26日)