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【エネルギー全般・政治経済】

中国が石炭など8大産業の「キョンシー企業」を逐次退出へ (15/12/28)
2016/1/6
中国【エネルギー全般・政治経済】

 中国の生産能力過剰問題が深刻化する中、中央経済工作会議は「脱生産能力」を2016年における5大構造的改革の筆頭に据えた。

 中央財経指導小組弁公室の楊偉民副主任は先般「キョンシー企業」を断固処置し、生産能力と総需要が概ね均衡するようにして、製品価格の下落傾向を抑え、優良企業が自信を強められるようにすると表明した。企業主体、政府推進、市場誘導を主とし、法に基づく処置や合併再編を増やして、破産と清算を少なくすること、従業員の再就職を適正に進めることが脱生産能力の方針と原則になる。今後は不良資産の処理や失業者の再就職など様々な面で政策体系を整備する。

 これより先、李克強首相は国務院常務会議において、生産能力過剰業種でエネルギー消費、環境保護、品質、安全など国の基準に適合しない長期赤字企業を、閉鎖、再編、譲渡、破産等の方式によって整理し、「キョンシー企業」の整理と処置を行って、2017年末までに赤字企業の赤字額を顕著に引き下げることを明確に打ち出していた。アナリストによると、これは赤字の削減と脱生産能力のタイムスケジュールを決めたものに他ならない。

 12月26日には工業情報化部の馮飛副部長は、工業情報化部が過剰生産能力の解消や「キョンシー企業」の処置について計画案を策定中であることを明らかにした。また、工業情報化部は鉄鋼、セメント、板ガラス等の産業で過剰生産能力解消実験を展開することを打ち出した。

 さらに、12月22日に開かれた全国発展改革工作会議では、徐紹史国家発展改革委員会主任は積極的かつ穏当に「キョンシー企業」を処置することが生産能力の過剰を解消する鍵になると表明した。発展改革委員会は2016年に産業の再編や「キョンシー企業」の処置を推進する計画案を策定、実施することになる。主に市場の仕組み、経済手法や法治を運用し、環境保護、エネルギーや技術基準を厳格にすることで、過剰生産能力に対して退出を迫る。

 8大産業の「キョンシー」国有企業を逐次退出

 中国企業改革発展研究会の李錦副会長によると、構造調整と過剰生産能力の解消の面では、関連産業の最も大きいシェアを占める国有企業が改革の主体になる。国有企業は伝統産業、生産能力過剰産業、重化学工業に広がっており、国有企業改革は国有経済の活力、コントロール力、影響力とリスク抵抗能力を増強することが目標になる。これは、脱生産能力が2016年の重点任務になり、こうした国有企業が市場から退出することを意味する。

 李錦副会長によると、脱生産能力において筆頭に掲げられるのは、鉄鋼、石炭、セメント、ガラス、石油、化学、鉄鉱石、非鉄金属の8大産業である。2015年12月初頭時点で複数の産業の生産者価格指数(PPI)は40ヵ月以上連続でマイナス状態にある。これらのいくつかの産業は工業PPI低下に対する寄与度が70〜80%に上っており、また、赤字企業は80%に達している。利益は紙のように薄く、こうした産業で多数の「キョンシー」国有企業が市場から退出することになる。

 (中国証券報 12月28日)