1. HOME
  2. 中国 【石炭】

中国
【石炭】

中国石炭産業の3大動向 転換・再編・退出 (16/01/14)
2016/1/18
中国【石炭】

 石炭企業の転換

 石炭産業の転換は一朝一夕で達成できるものはないが、転換と改革の方向性は正確なものである必要がある。中国のエネルギーを「クリーン化と低炭素化」の方向に向けて適正に転換させるには、不必要な資源浪費を減らすことが基本原則になる。

 石炭企業の転換には慎重を要する。自身の特徴と能力に基づいて転換の方向を選択し、市場のニーズ、技術の蓄積、人材育成、販売ネットワークといった面で準備作業を適正に進めなければならない。盲目的な転換は絶対に不可であり、転換が本業の足を引っ張り、より大きな困難がもたらされることを回避しなければならない。

 間もなく到来する石炭企業再編の波

 2015年12月9日に開催された国務院常務会議は、国のエネルギー消費、環境保護、安全等の標準に適合せず、長期赤字に陥っている生産能力過剰企業に閉鎖、生産転換や分離再編を実施し、赤字が3年以上続き構造調整の方向性に適合した企業に対しては資産再編、資産の譲渡、閉鎖・破産等の方式によって整理することを決定した。

 《中国石炭消費総量規制規画研究報告》は、合併再編や老朽化生産能力の淘汰によって、炭鉱企業の数を2015年の6,390社から第13次5ヵ年規画期末には3,000社以内に圧縮することを提言している。つまり、石炭企業の半分近くを淘汰し退出させるということである。

 統計によると、2015年1〜11月の中国石炭企業のM&Aは49件になり、2014年の31件に比べ58%増えた。

 また、2015年11月時点で中国の主要生産鉱区で赤字に陥っている一般炭の坑井の比率は91%に達し、原料炭では95%に達している。一方、全国石炭総生産量に占める上位5社の比率は27%、上位10社では40%、上位50社では73%であり、産業集中度は依然として低いままである。

 石炭産業の生産能力の淘汰と合併再編は目下進行中であるが、産業の低落傾向を止めるにははるかに力不足であり、再編・転換措置のさらなる強化が必要である。合併再編は2016年の石炭産業の大きな流れになるだろう。

 石炭企業退出の仕組み

 2015年に中国の国内炭価格の下落傾向が続き、石炭使用のシーズンを迎えても未だ反発を示していない。12月23日の環渤海5500キロカロリー一般炭平均価格は372元/トンであり、前年同期の525元/トンからは29%下がった。

 2015年第1〜第4四半期の大手石炭企業90社の利益は9.7億元、前年同期の427億元から97.7%の減益になった。また、第1〜第3四半期の国有及び国有持ち株石炭企業の業績は2014年同期の398億元の黒字から2015年は28億元の赤字に転じ、黒龍江、吉林、雲南、重慶、安徽、江西の6ヵ省は産業全体で赤字に陥っている。

 以上のように石炭産業が直面している厳しい情勢について、中国煤炭工業協会の王顕政会長は、中国煤炭工業協会と関係政府部門が炭鉱退出の仕組みについて政策建議の素案を提出したことを明らかにした。同建議は市場化を主とする方式によって過剰生産能力の解消を進めるよう提言し、石炭生産地区の各省クラス政府が炭鉱退出の仕組みについて具体的な政策を策定するとともに退出の規模を確定すべきとしている。

 (中国産経新聞 1月14日)