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【原子力】

中国核工業建設集団とサウジKA−CAREが覚書調印 中国の第四世代原子力発電技術が世界進出に向け第一歩 (16/01/21)
2016/1/21
中国【原子力】

 中国核工業建設集団の最新情報によると、習近平主席のサウジアラビア訪問中に、中国核工業建設集団とサウジ核再生可能エネルギーシティ( King Abdullah City for Atomic & Renewable Energy:KA−CARE)が《サウジアラビア高温ガス冷却炉事業協力了解覚書》に調印した。今回のMOU調印は中国とサウジアラビア両国が「一帯一路」イニシアチブを共同で実施に移す上で重要な措置になり、中国の第四世代原子力発電技術の「走出去」(対外進出)にとっても大きなブレークスルーになる。
 
 中国は30年余りにわたる高温ガス冷却炉の基礎研究、実験炉の運行、実証事業の建設を経て、そのキーテクノロジーを系統的に把握し、国際的にもリードしている。高温ガス冷却炉は中国が原子力発電の「走出去」において優先する炉型である。

 しかしながら、中国国内でまだ実証炉建設段階に止まっている高温ガス冷却炉がなぜその「走出去」を実現できるのだろうか。中国核工業建設集団の関係幹部によると、高温ガス冷却炉の「走出去」の時機はすでに熟しており、国家能源局、国防科工局や科学技術部の指導の下、中国核工業建設集団は清華大学と協力して高温ガス冷却炉技術の産業化を急いでいる。中国核工業建設集団はすでに福建、広東、江西、湖南など複数の省・市で60万kW高温ガス冷却炉事業のプレスタディを展開し、作業は順調に進んでいる。また、中国核工業建設集団は海外でもサウジアラビア、アラブ首長国連邦のドバイ、南アフリカ等と高温ガス冷却炉事業協力をめぐって了解覚書に調印している。今回のKA−CAREとの協力が実質的進展を遂げたのは、高温ガス冷却炉の固有の安全性だけでなく、用途の多様性のため、サウジアラビアの電力供給や海水淡水化、石油化学工業のニーズを賄うことが出来るからでる。高温ガス冷却炉のモジュール化設計は様々な電力グリッドのニーズに適用する際立った優位を備え、サウジアラビアなど「一帯一路」沿線諸国の中小電力グリッドに適合しており、優れた波及効果を発揮する。

 (中国核電情報網 1月21日)