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【石炭】

石炭生産能力過剰の2つの痼疾 (16/02/02)
2016/2/13
中国【石炭】

 石炭産業の「過剰」は中国の特殊な国情に帰結する。すなわち、地方政府と国有企業の非理性的な衝動と、市場から退出させる術がない非効率の生産能力と「キョンシー」企業の2点は、中国固有の痼疾である。

 石炭産業の生産能力の7割以上は国有企業であり、石炭生産能力の形成過程において非理性的な投資が常態であったが、生産能力の退出もスムーズに行かず、そのため、石炭生産能力の「過剰」が激化することになった。

 国務院発展研究センター産業経済研究室の銭平凡主任によると、これら2つの問題を解決するには、体制を改革するしかない。非理性的な投資問題については、政府と市場の境界を明確にし、国有企業を改革し、脱行政化を進めて、純粋な企業にする必要がある。過剰生産能力の退出問題については、政府が適正な政策を準備し、環境を整える必要がある。

 但し、生産能力の退出に当たっては、市場が主体的作用を発揮するようにし、市場競争を通して時代遅れの生産能力を淘汰しなければならない。政府が役割を逸脱してどの生産能力を退出させるか決定することは禁物である。

 この数年、政府所管部門は一貫して時代遅れの生産能力の淘汰を推進してきたが、時代遅れかどうかは石炭生産能力の規模を尺度としていた、しかしながら、小規模炭鉱が時代遅れであるとは限らず、ただ市場における規模が小さいので調整しやすかったに過ぎない。生産能力の規模によって時代遅れであるかどうかを線引きするのは決して合理的ではない。実際には、その結果、石炭企業の投資が大型炭鉱に傾き、生産能力過剰を激化させた面もある。

 (中国煤炭資源網 2月2日)