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中国
【石炭】

現代的石炭化学工業はCO2削減の重点 (16/02/18)
2016/2/25
中国【石炭】

 現在、あらゆる産業の中でも化石エネルギーは最大のCO2排出源である。中国社会科学院世界経済政策研究所の研究グループが発表した《世界のエネルギーと中国の展望》の予測によると、2015年の中国の化石エネルギーによるCO2排出量は80億トン近くに上る。その中で石炭化学工業の排出はどうなっているのだろうか。

 2015年12月に採択されたパリ協定によって、既存の世界の産業構造が急速に変化するに違いない。元石油化学工業規画院の顧宗勤院長は次のように指摘する。

 石炭化学工業のカーボンバランスを試算すると、2011年の石炭化学工業のCO2排出は2.2億トン、2012年は2.7億トンであり、化学工業全体の21〜24%、全国のCO2排出量の2.7〜3.2%を占める。石炭化学工業は排出強度が高いが、総量に占める比率は驚異的なものではない。

 石炭を石油代替品に転化するという石炭化学工業の技術路線は必然的に巨大な投資と資源という支えを求める。そのため、在来型石炭化学工業であれ、現代的石炭化学工業であれ、生産過程においてはいずれも大量のCO2を排出する。SNG(石炭由来代替天然ガス)、石炭液化、石炭由来のエチレングリコールやメタノール、川下のオレフィンなど現代的石炭化学工業をCO2排出削減の重点としなければならない。

 資料によると、CTO(コール・トゥ・オレフィン)のCO2排出量は7トン/トンを超え、石炭液化は8トン/トンを超える。石炭由来メタノールは約2.8トン/トン、SNGは4トン/1000m3である。カーバイド1トン当たりのCO2排出は3.5トンを超える。

 年産60万トンのCTOのエネルギー利用効率は約35.2%、CO2排出強度は製品1トンにつき約8〜8.5トンである。SNG事業のエネルギー利用効率は現在の技術レベルと建設プランから試算すると約50%であり、CO2排出強度は4.8トン/1000m3になる。石油系と比較すると、新型石炭化学工業のエネルギー利用効率は石油系の約50%であり、CO2排出強度は数倍に上る。

 こうして見てくると、石炭化学工業は石油化学工業よりも生産条件が厳しく、資源消費量が大きいことが分かる。今後、新型石炭化学工業を発展させようとするのなら、省エネと排出削減を足掛かりに、エネルギー利用効率の向上や汚染物排出削減に努めなければならない。

 石炭化学工業は、CO2排出削減措置をより深いレベルにまで掘り下げ、発展モデルのグレードアップと転換を模索すべきである。例えば、石炭深加工への転換、石炭・化学・電力・熱力の一体化への転換、CO2の総合利用措置などが挙げられる。また、石炭化学企業は、国の省エネ・排出削減の市場化の仕組みを十分に活用し、汚染排出権と炭素排出権取引の道筋と合理的な取引価格を模索し、市場化の道筋を通して企業の省エネ・排出削減に対する積極性を高めるべきである。

 (中国環境網 2月18日)