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中国
【新エネルギー】

キャッサバ由来エタノールガソリンの本格開発と普及を目指す広西自治区 (08/02/04)
2008/2/4
中国【新エネルギー】

 昨年12月、中粮集団は広西自治区の北海に初のキャッサバ由来バイオエタノール生産プロジェクトを建設した。一方、これに合わせて、広西自治区はキャッサバ原料のエタノールガソリン試験省になろうとしている。

 エタノールガソリンはこれまでトウモロコシが主原料であったが、国際的なエタノールブームによって穀物価格が上昇し、中国の穀物産業への影響も大きいことから、中国政府は一昨年以来穀物を原料とするエタノールガソリン生産の見直しを進め、現在は非穀物系エタノールが次第に主流になりつつある。

 広西自治区は今年3月31日から一般ガソリンの販売を全面的に停止するが、それに先立ち、北海市と貴港を第一陣の試験都市に指定して、今月28日から一般ガソリンの販売を禁止する。エタノールガソリンの試験的普及はすでに中国の9つの省で進められているが、省全域でエタノールガソリンの使用を行うのは黒龍江、吉林、遼寧、河南、安徽に次いで、広西が6番目になる。

 昨年12月末、広西は自動車用エタノールガソリン管理暫定弁法を公布した。今後はエタノールガソリン配給センターを中心に、各サービスステーションにエタノールガソリンを配送する体制を確立することになる。エタノールガソリンの小売価格は政府が決定する。エタノールを自動車に使用するために必要な給油系統の洗浄や技術パラメータの調整は自動車のオーナーが自発的に行う。

 広西自治区のキャッサバ年産量は600万トン以上に上り、全国総生産量の6割を占めている。中粮集団のエタノール事業は年間150万トン(乾物量換算で61万トン)のキャッサバを要し、北海、合浦に15万ムー植樹するが、周辺地区の農家も100万ムーのキャッサバを植樹することが必要になる。現在のキャッサバ買付価格を450元/t、1ムー当たりの生産量を2.2トンとして計算すると、周辺地区にとっては3億元の増収になる。

 広西自治区のCNPCやSINOPEC系サービスステーションもすでに洗浄と改造を終え、エタノールガソリンは同規画の一般ガソリンと同じ価格で販売されることになる。広西は雲南、貴州、広東、香港・マカオ等にもエタノールを販売することを検討している。第11次5ヵ年規画期に広西はエタノール燃料生産能力を100万トンとするよう計画しているのである。

 (第一財経日報 2月4日)