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中国
【石炭】

各地方が次々と石炭の脱生産能力措置を策定 (16/03/03)
2016/3/3
中国【石炭】

 脱生産能力のスローガンを実践に移すべく、多くの地方は石炭脱生産能力の計画案を策定して、供給側改革を推進している。

 石炭と鉄鉱の過剰生産能力解消が2016年の大きな課題の一つになることは間違いない。今年1月、国務院は鉄鋼と石炭の過剰生産能力解消について度々会議を開き、2月上旬には《石炭産業の過剰生産能力解消と脱苦境の実現並びに発展に関する意見》を通達した。一方、国家能源局も石炭産業の過剰生産能力解消を2016年のエネルギー改革の筆頭にすると表明している。

 新疆、重慶、山東、貴州等は供給側改革案を打ち出しており、他の地方も次々と供給側改革案を策定すると予想される。石炭産業の脱生産能力目標がもっと明確になるだろう。

 新疆:新疆の石炭生産能力と建設中の炭鉱規模は市場の規模をはるかに上回っており、生産能力は過剰である。新疆は2016年の原炭生産量を1.5億トン前後に抑制する。

 重慶:2月28日、重慶市は《供給側構造性改革工作方案》を通達し、石炭生産能力を2,000万トン以下、炭鉱数を70ヵ所以下に圧縮することを明確にした。2015年末時点で重慶市の合法炭鉱数は403ヵ所、合法生産能力は4,084万トンであり、重慶の計画案では石炭生産能力の2分の1を撤去することになる。期間は2〜3年であり、国が要求している3〜5年よりも短い。重慶の脱生産能力の規模とスピードは国の計画を上回ることになる。

 山東省:炭鉱退出の仕組みについて具体的な政策措置を策定して、石炭企業の退出を加速する。2016年には省内の原炭生産量を約1.4億トンに抑制する一方、省外の生産量を1.2億トン、固定資産投資を68億元とする。炭鉱職員の労働保障政策と補助金政策と実施する。石炭企業の開発部署の最適化にも力を入れる。石炭以外の産業の発展水準を高め、産業の脱貧困と困難解決で打開を図る。科学技術イノベーション駆動能力を強化する。

 貴州省:3月1日、《供給側構造性改革の推進と経済発展の質並びに収益の向上に関する意見》を通達、3〜5年かけて150ヵ所の炭鉱を退出させ、炭鉱規模を7,000万トン前後に圧縮する計画を打ち出した。保留する炭鉱については技術改修を強化し、2016年の採炭作業の機械化率を70%程度に高め、炭鉱ガス回収利用率を50%超とし、ボタ総合利用率を60%とする。

 四川省:2015年に小炭鉱100ヵ所を閉鎖したが、2016年も引き続き採炭業の構造最適化を進め、今後3年間は新規炭鉱の計画と建設を停止し、老朽化生産能力の増加を厳禁し、企業の合併再編を推進する。老朽化小炭鉱の閉鎖を進め、石炭生産能力を年9,500万トンに安定させる。

 山西省:今年の石炭産業の主要任務は、供給側改革の実施、過剰生産能力の有効な解消、石炭「脱生産能力」計画の策定になる。条件に適合しない炭鉱の淘汰、優良炭鉱の統合など5項目の措置を採用して、過剰生産能力を圧縮する。2020年には2.58億トンの生産能力を削減し、1,000万トン級の坑井の生産能力1.18億トンに置き換えて、正味1.14億トンの生産能力を削減する。過剰生産能力の解消過程においては大きな陣痛に耐えなければならないが、産業の統廃合と構造調整によって一群の優勢企業の拡大と発展を図る。

 (中国煤炭資源網 3月3日)