中国共産党第18回代表大会(2012年11月)以降、習近平総書記を中心とする党中央はエネルギー需給構造の新たな変化と国際エネルギー発展の新動向に直面して、「エネルギー革命」の戦略思想を提唱し、中国のエネルギー発展の戦略方向を指し示すとともに、奮闘目標を明確化し、行動綱領を確定し、戦略任務を部署した。エネルギー発展方式は粗放式成長から集約式成長へと転換し、従来の石炭を主とするエネルギー構造は多元化に向けて転換が進み、エネルギー発展の動力源は在来型エネルギーの成長から新エネルギーの成長へと転換し、省エネルギーで顕著な成果を上げ、エネルギーの生産と消費のいずれにも巨大な変革が発生した。 1. エネルギー生産総量は安定的に成長 クリーン・エネルギー生産の比率が上昇 2015年の中国のエネルギー総生産量は36.2億tce(標準炭換算トン)、2012年比で3.1%増加した。年平均伸び率は1%であり、2005〜2012年の年平均伸び率を5.3ポイント下回った。原炭生産量は2013年に過去最高の39.7億トンを記録したが、2014年は38.7億トン、前年比2.5%減になり、2015年は37.5億トン、3.3%減になった。2015年の原油生産量は2億1,456万トン、2012年に比べ3.4%増加した。天然ガス生産量は1,346億m3、2012年に比べ21.7%増加した。電力生産は5兆8,106億kWh、2012年比16.5%増加した。うち新型エネルギー(原子力発電、風力発電及びその他)発電は4,375億kWhであり、2012年の2.3倍に増加した。 一次エネルギー生産の構成比については、原炭が72.1%を占めたが、2012年に比べると4.1ポイント下がった。原油は8.5%で2012年と横ばいであった。天然ガスは4.9%を占め、2012年に比べ0.8ポイント上昇した。一次電力及びその他のエネルギーは14.5%であり、2012年に比べ3.3ポイント上昇した。石炭の比率の低下が続き、クリーン・エネルギーの比率は絶えず上昇している。このことは中国のエネルギー生産構造が多元化に向けて前進していることを示している。 2. エネルギー消費が有効に抑制され石炭消費にマイナスが発生 2015年の中国のエネルギー消費総量は43億tce、2012年に比べ6.9%増加した。年平均伸び率は2.3%になり、2005〜2012年の年平均伸び率より4.1ポイント下がった。エネルギー消費の伸び率低下が浮き彫りになり、中でも石炭消費総量は2013年に42.4億トンに達したが、2014年は41.2億トン、前年比3.0%のマイナスになり、2015年は39.6億トン、前年比3.7%のマイナスになった。2015年の石油消費量は約5.5億トン、2012年比15.1%増になり、天然ガス消費は1,930億m3、同28.9%増になった。電力消費は5.6兆kWhで、同13.9%増。 エネルギー消費構成を見ると、石炭消費の比率が顕著に低下し、クリーン・エネルギーの比率が上昇して、エネルギー構造の最適化が進んでいる。2015年の石炭消費の比率は64.0%であり、2012年に比べ4.5ポイント下がった。石油消費は18.1%で2012年より1.1ポイント上昇した。天然ガス消費は5.9%で2012年より1.1ポイント上昇した。一次電力及びその他エネルギーの消費は12%で、2012年より2.3ポイント上昇した。クリーン・エネルギーは合計17.9%を占め、2012年に比べ3.4ポイント上がった。 3. エネルギー利用効率の向上が続き省エネに顕著な効果 2013年の単位GDP当たりエネルギー消費は前年比3.7%下がり、2014年は4.8%、2015年は5.6%下がった。低下幅は年々拡大し、2013〜2015年は累計13.5%下がり、第12次5ヵ年規画期の省エネ・排出削減目標達成に決定的な作用を発揮した。特に2015年は単位GDP当たりのエネルギー消費だけでなく、単位GDP当たりの電力消費も前年比6.0%下がり、全国の一定規模以上の工業付加価値額当たりのエネルギー消費は8.4%下がった。以上の3つの数値はいずれも2005年に省エネの拘束的管理を実施して以来最大の低下幅になり、省エネが著しい成果を上げたことを示している。 4. エネルギー輸入構造の最適化が進み国際協力が全面的に拡大 2015年のエネルギー輸入(純輸入、以下同じ)は6.7億tce、2012年比9.3%増になった。年平均伸び率は3%であり、2005〜2012年の年平均伸び率を18.6ポイント下回った。特に石炭総輸入量は2013年に3.2億トンに達したが、その後著しく低下して、2015年には2億トンに下がり、37.8%もの減少になった。一方、2015年の原油輸入量は3.3億トンで、2012年に比べ22.9%増加した。天然ガス輸入は584億m3で、2012年比48.8%増加した。中国の石油・天然ガス輸入能力は着実に向上し、西北、東北、西南及び海上の4大石油・天然ガス戦略輸入ルートが形成されている。また、火力発電、水力発電、原子力発電、新エネルギー、電力グリッド、石炭等の分野でも国際協力が全面的に広がり、「一帯一路」戦略の導きの下で、中国のエネルギー分野の国際協力が絶えず新たな打開を遂げ、国際エネルギー組織との対話と協力も絶えず強化されている。 5. 総合エネルギー利用水準が向上しエネルギー利用条件が顕著に改善 2015年の中国の1人当たりエネルギー消費は3,136tce、2012年比5.3%増、1人当たり電力消費は4,133kWh、同12.2%増になった。2015年の第一次産業のエネルギー消費の対2012年比伸び率は4.7%、電力消費の伸び率は2.6%になり、第二次産業は5.2%と11.1%、第三次産業は15.9%と25.9%になった。 6.エネルギー科学技術のイノベーション能力と技術開発力が顕著に増強 独自知財権を備える「華龍一号」CAP1400第三世代原子力発電技術と第四世代の安全特性を備える高温ガス冷却炉技術の開発が成功した。また、大型水力発電については、中国はダム建設と80万kW水力タービンの設計と製造で世界をリードしている。年産1,000万トンの石炭総合採掘設備、100万kW超々臨界火力発電設備、3MW風力発電設備等も幅広く利用され、エネルギー設備の国産化が絶えず進んでいる。さらに、エネルギー産業の標準化も新たな進展を遂げ、新エネルギー自動車も大きな発展を遂げている。 (国家統計局ウェブサイト 3月4日)
中国共産党第18回代表大会(2012年11月)以降、習近平総書記を中心とする党中央はエネルギー需給構造の新たな変化と国際エネルギー発展の新動向に直面して、「エネルギー革命」の戦略思想を提唱し、中国のエネルギー発展の戦略方向を指し示すとともに、奮闘目標を明確化し、行動綱領を確定し、戦略任務を部署した。エネルギー発展方式は粗放式成長から集約式成長へと転換し、従来の石炭を主とするエネルギー構造は多元化に向けて転換が進み、エネルギー発展の動力源は在来型エネルギーの成長から新エネルギーの成長へと転換し、省エネルギーで顕著な成果を上げ、エネルギーの生産と消費のいずれにも巨大な変革が発生した。
1. エネルギー生産総量は安定的に成長 クリーン・エネルギー生産の比率が上昇
2015年の中国のエネルギー総生産量は36.2億tce(標準炭換算トン)、2012年比で3.1%増加した。年平均伸び率は1%であり、2005〜2012年の年平均伸び率を5.3ポイント下回った。原炭生産量は2013年に過去最高の39.7億トンを記録したが、2014年は38.7億トン、前年比2.5%減になり、2015年は37.5億トン、3.3%減になった。2015年の原油生産量は2億1,456万トン、2012年に比べ3.4%増加した。天然ガス生産量は1,346億m3、2012年に比べ21.7%増加した。電力生産は5兆8,106億kWh、2012年比16.5%増加した。うち新型エネルギー(原子力発電、風力発電及びその他)発電は4,375億kWhであり、2012年の2.3倍に増加した。
一次エネルギー生産の構成比については、原炭が72.1%を占めたが、2012年に比べると4.1ポイント下がった。原油は8.5%で2012年と横ばいであった。天然ガスは4.9%を占め、2012年に比べ0.8ポイント上昇した。一次電力及びその他のエネルギーは14.5%であり、2012年に比べ3.3ポイント上昇した。石炭の比率の低下が続き、クリーン・エネルギーの比率は絶えず上昇している。このことは中国のエネルギー生産構造が多元化に向けて前進していることを示している。
2. エネルギー消費が有効に抑制され石炭消費にマイナスが発生
2015年の中国のエネルギー消費総量は43億tce、2012年に比べ6.9%増加した。年平均伸び率は2.3%になり、2005〜2012年の年平均伸び率より4.1ポイント下がった。エネルギー消費の伸び率低下が浮き彫りになり、中でも石炭消費総量は2013年に42.4億トンに達したが、2014年は41.2億トン、前年比3.0%のマイナスになり、2015年は39.6億トン、前年比3.7%のマイナスになった。2015年の石油消費量は約5.5億トン、2012年比15.1%増になり、天然ガス消費は1,930億m3、同28.9%増になった。電力消費は5.6兆kWhで、同13.9%増。
エネルギー消費構成を見ると、石炭消費の比率が顕著に低下し、クリーン・エネルギーの比率が上昇して、エネルギー構造の最適化が進んでいる。2015年の石炭消費の比率は64.0%であり、2012年に比べ4.5ポイント下がった。石油消費は18.1%で2012年より1.1ポイント上昇した。天然ガス消費は5.9%で2012年より1.1ポイント上昇した。一次電力及びその他エネルギーの消費は12%で、2012年より2.3ポイント上昇した。クリーン・エネルギーは合計17.9%を占め、2012年に比べ3.4ポイント上がった。
3. エネルギー利用効率の向上が続き省エネに顕著な効果
2013年の単位GDP当たりエネルギー消費は前年比3.7%下がり、2014年は4.8%、2015年は5.6%下がった。低下幅は年々拡大し、2013〜2015年は累計13.5%下がり、第12次5ヵ年規画期の省エネ・排出削減目標達成に決定的な作用を発揮した。特に2015年は単位GDP当たりのエネルギー消費だけでなく、単位GDP当たりの電力消費も前年比6.0%下がり、全国の一定規模以上の工業付加価値額当たりのエネルギー消費は8.4%下がった。以上の3つの数値はいずれも2005年に省エネの拘束的管理を実施して以来最大の低下幅になり、省エネが著しい成果を上げたことを示している。
4. エネルギー輸入構造の最適化が進み国際協力が全面的に拡大
2015年のエネルギー輸入(純輸入、以下同じ)は6.7億tce、2012年比9.3%増になった。年平均伸び率は3%であり、2005〜2012年の年平均伸び率を18.6ポイント下回った。特に石炭総輸入量は2013年に3.2億トンに達したが、その後著しく低下して、2015年には2億トンに下がり、37.8%もの減少になった。一方、2015年の原油輸入量は3.3億トンで、2012年に比べ22.9%増加した。天然ガス輸入は584億m3で、2012年比48.8%増加した。中国の石油・天然ガス輸入能力は着実に向上し、西北、東北、西南及び海上の4大石油・天然ガス戦略輸入ルートが形成されている。また、火力発電、水力発電、原子力発電、新エネルギー、電力グリッド、石炭等の分野でも国際協力が全面的に広がり、「一帯一路」戦略の導きの下で、中国のエネルギー分野の国際協力が絶えず新たな打開を遂げ、国際エネルギー組織との対話と協力も絶えず強化されている。
5. 総合エネルギー利用水準が向上しエネルギー利用条件が顕著に改善
2015年の中国の1人当たりエネルギー消費は3,136tce、2012年比5.3%増、1人当たり電力消費は4,133kWh、同12.2%増になった。2015年の第一次産業のエネルギー消費の対2012年比伸び率は4.7%、電力消費の伸び率は2.6%になり、第二次産業は5.2%と11.1%、第三次産業は15.9%と25.9%になった。
6.エネルギー科学技術のイノベーション能力と技術開発力が顕著に増強
独自知財権を備える「華龍一号」CAP1400第三世代原子力発電技術と第四世代の安全特性を備える高温ガス冷却炉技術の開発が成功した。また、大型水力発電については、中国はダム建設と80万kW水力タービンの設計と製造で世界をリードしている。年産1,000万トンの石炭総合採掘設備、100万kW超々臨界火力発電設備、3MW風力発電設備等も幅広く利用され、エネルギー設備の国産化が絶えず進んでいる。さらに、エネルギー産業の標準化も新たな進展を遂げ、新エネルギー自動車も大きな発展を遂げている。
(国家統計局ウェブサイト 3月4日)