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【エネルギー全般・政治経済】

全人代と政協会議 エネルギーの供給側改革が焦点に (16/03/04)
2016/3/10
中国【エネルギー全般・政治経済】

 2016年の全人代と政治協商会議ではエネルギーの体制改革が焦点の一つになる。国家能源局会議によると、2016年にはエネルギー分野の供給側構造性改革を推進することになり、エネルギー体制改革に動きが現れる。努爾・白克力(Nur Bekri)国家能源局長は《国家能源局2016年体制改革工作の要点》において、エネルギー発展方式を粗放型から品質・収益向上型に転換し、エネルギー対策も事業の許認可から主に改革推進と技術革新へと転換すると表明し、2016年の7つの重点対策を次のように明確にした。

 (1) 石炭産業の過剰生産能力解消
 国務院の《石炭産業の過剰生産能力解消と脱苦境の実現並びに発展に関する意見》を実施に移し、3〜5年かけて、5億トンの石炭生産能力を退出させ、再編によって約5億トンの生産能力を削減する。新規石炭生産能力を厳重に規制し、2016年から3年間は新規炭鉱建設事業の許認可を停止する。2016年中に老朽化炭鉱を1,000ヵ所以上、合計6,000万トンの生産能力を閉鎖する。石炭産業の合併再編を推進する。

 (2) 石炭火力発電の過剰生産能力の解消
 石炭火力発電の新規着工規模を厳重に規制する。電力に余剰のある地区は許認可条件を備えていない事業を撤回し、石炭火力発電事業の許認可を一時凍結するとともに、許認可済み事業の建設を先送りする。電力市場化改革を加速し、新たに許認可する発電設備は原則として電力市場取引に参加するものとする。

 (3) 水力・風力・太陽光発電の電力機会損失問題の解決
 増量の最適化と規制を進め、水力発電と原子力発電の発展ペースを調整し、風力発電、太陽光発電、バイオマス、地熱は現地での電力受入を主とする。電力系統の運用を最適化し、揚水式水力発電などピーク調整電源の開発を奨励する。広域送電ルートの利用効率を高める。分散型エネルギーの開発を推進する。

 (4) 電力体制改革の加速
 電力の市場化改革を推進し、電力価格を引き下げる。電力市場の確立を急ぎ、直接取引を実現する。売電価格と小売電力価格を自由化し、電網企業の送配電価格を厳重に規制する。

 (5) 石油・天然ガス体制改革の着実な推進
 《石油・天然ガス体制改革の深化に関する若干の意見》に続き、専門改革案や関連政策文書の研究と策定に取り組む。一部の省・直轄市で石油・天然ガス改革総合実験や専門実験を展開する。

 (6) エネルギーの面での貧民救済の強化
 太陽光発電の面で貧民救済を展開するとともに、農村電力網の改修・高度化プロジェクトを実施する。定点貧民救済と連携支援を推進する。

 (7) エネルギーシステムの運営効率の向上
 エネルギーシステムの効率向上と新常態の下におけるエネルギー発展と質・収益向上を重要対策として位置づける。エネルギー多消費産業とエネルギー開発配置を最適化し、エネルギーの長距離輸送に対する依存を下げる。エネルギーの協調的な発展と相互補完採用を推進し、エネルギーシステムのスマート化のレベルと運営効率を高める。

 (中金在線 3月4日)