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中国
【石炭】

中国の民用石炭消費は3億トン超 汚染は工業よりも深刻 (16/03/17)
2016/3/17
中国【石炭】

 北京・天津・河北及び東北地区の多くの都市はスモッグが深刻であるが、環境保護部の調査研究によると、北方地区の冬季の暖房用石炭燃焼はスモッグ汚染を引き起こす重要な原因の一つになっている。

 環境保護部は《民用石炭大気汚染物排出リスト編纂技術ガイドライン(試行)》案と《農村石炭分散燃焼汚染総合管理技術ガイドライン(試行)》案の公開意見募集を開始した。環境保護部はこの2つの文書の中で、石炭の輸送、貯蔵、加工、販売、使用等のプロセスを規範化するため、石炭の経営と使用に対する監督管理関連法規を完備することが必要であるとしている。

 環境保護部の説明によると、農村の広範囲、低空排出の石炭汚染が近年ますます突出するようになっている。統計によると、石炭消費構造の中で民用石炭は約10%を占め、毎年の消費量は3億トンを超えている。北京市の調査によると、農村地区の殆どは石炭を暖房に利用しており、民生用石炭消費総量の中で暖房用は約90%を占める。

 中国の民用石炭は主に分散燃焼の形で使用され、分散燃焼用のボイラーは種類が多く、数も膨大であるが、一つ一つの規模が小さく、燃焼後の汚染物は基本的に直接排出され、除塵、脱硫、脱硝等の環境保護措置が採られることは殆どない。環境保護部の専門家によると、民用石炭のこうした分散燃焼方式が居住区に及ぼす大気汚染の程度は工業用石炭燃焼による汚染をはるかに超えていることは多くの研究結果からも明らかになっている。特に冬季の暖房時期には民生用石炭の燃焼によって二酸化硫黄、窒素酸化物や粒子物など大量の大気汚染物や多環芳香族炭化水素、ベンゾピレン、水銀などの有毒・有害物質を排出し、人体の健康にとっても脅威になる。中国の黒色炭素や多環芳香族の排出リストにおいて民用石炭の寄与度は約40%に上る。

 環境保護部によると、《商品炭品質・民用バラ石炭》と《商品炭品質・民用ブリケット》の2本の強制的国家標準が近日中に国家標準化管理委員会に提出され、審査、公布へと進む。この2本の標準は民用石炭の品質について基本規制要件を提示している。

 (中国煤炭網 3月17日)