長距離輸送を担う鉄道と同様に、天然ガスの長距離輸送を任務とする西気東輸パイプラインにも大雪の影響が出始めている。「西部の資源を東部に送る」という中国の経済構造が大雪と寒冷によって脆さを露呈した。 寒冷はパイプラインの輸送そのものに脅威を与えるとともに、沿線各地のガス使用量が拡大したため、パイプラインの負荷が大きくなり、ガス供給に支障が出ている。陝西省のガス使用量は1日当たり800万m3以上のピークが4日間連続し、1月26日には過去最高の819万m3に達した。省都西安の1日の需要量は480万m3に上り、10〜30万m3の不足を来たしている。 石油大学工商管理学院の董秀成副院長によると、これは気温の低下によりガス使用量が大幅に増加したためにパイプライン上流の圧力不足を招いたことが原因。パイプラインの1日当たりのガス供給能力には上限があり、この上限を超えると、ガス供給能力が不安定になる。西気東輸パイプラインは主に上海、江蘇、河南、安徽等の中東部にガスを供給するパイプラインであり、このような状況が続けば、長距離輸送は保証し難いものになる。 青海、甘粛、寧夏を経由する渋北−西寧−蘭州パイプラインは西気東輸の重要なパイプラインである。設計上のガス輸送量は1日900万m3であるが、しかし、最近の輸送量は1,032万m3に達しており、このまま超過運転が続けば、パイプラインやガス井にも故障が生じ、青海、甘粛、寧夏の3省はガス供給中断の危険に陥る。 4,000キロに及ぶ西気東輸パイプラインの終点である上海でも1日の供給量が過去最高を塗り替えている。1月初めから現在まで上海への1日当たり平均の供給量は880万m3であったが、25日には961万m3に達し、昨年12月の903万m3を上回って最高記録を更新した。 西気東輸パイプラインは中国の新規の天然ガス消費量の50%を担っており、パイプラインがもし限界に達したら想像を絶することになると、中国石油天然ガス集団(CNPC)の廖永遠副総経理は言う。 CNPCは石油と天然ガスの安定供給を確保するため、応急措置を取っているが、応急措置は短期的な対策に過ぎず、「西部の資源によって東部の都市を支える」という構造自体に起因する影響は、応急措置で解決できるものではない。 (環球能源網 2月4日)
長距離輸送を担う鉄道と同様に、天然ガスの長距離輸送を任務とする西気東輸パイプラインにも大雪の影響が出始めている。「西部の資源を東部に送る」という中国の経済構造が大雪と寒冷によって脆さを露呈した。
寒冷はパイプラインの輸送そのものに脅威を与えるとともに、沿線各地のガス使用量が拡大したため、パイプラインの負荷が大きくなり、ガス供給に支障が出ている。陝西省のガス使用量は1日当たり800万m3以上のピークが4日間連続し、1月26日には過去最高の819万m3に達した。省都西安の1日の需要量は480万m3に上り、10〜30万m3の不足を来たしている。
石油大学工商管理学院の董秀成副院長によると、これは気温の低下によりガス使用量が大幅に増加したためにパイプライン上流の圧力不足を招いたことが原因。パイプラインの1日当たりのガス供給能力には上限があり、この上限を超えると、ガス供給能力が不安定になる。西気東輸パイプラインは主に上海、江蘇、河南、安徽等の中東部にガスを供給するパイプラインであり、このような状況が続けば、長距離輸送は保証し難いものになる。
青海、甘粛、寧夏を経由する渋北−西寧−蘭州パイプラインは西気東輸の重要なパイプラインである。設計上のガス輸送量は1日900万m3であるが、しかし、最近の輸送量は1,032万m3に達しており、このまま超過運転が続けば、パイプラインやガス井にも故障が生じ、青海、甘粛、寧夏の3省はガス供給中断の危険に陥る。
4,000キロに及ぶ西気東輸パイプラインの終点である上海でも1日の供給量が過去最高を塗り替えている。1月初めから現在まで上海への1日当たり平均の供給量は880万m3であったが、25日には961万m3に達し、昨年12月の903万m3を上回って最高記録を更新した。
西気東輸パイプラインは中国の新規の天然ガス消費量の50%を担っており、パイプラインがもし限界に達したら想像を絶することになると、中国石油天然ガス集団(CNPC)の廖永遠副総経理は言う。
CNPCは石油と天然ガスの安定供給を確保するため、応急措置を取っているが、応急措置は短期的な対策に過ぎず、「西部の資源によって東部の都市を支える」という構造自体に起因する影響は、応急措置で解決できるものではない。
(環球能源網 2月4日)