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中国
【エネルギー全般・政治経済】

中国−中央アジア石油専用鉄道建設計画の海外報道…エネルギーの権威が否定 (08/02/05)
2008/2/8
中国【エネルギー全般・政治経済】

 先頃、海外のメディアは、中国が中央アジア地域への鉄道路線を建設して原油供給ルートを増やし、原油輸送の海運への依存度を引き下げるよう計画していることを報じたが、エネルギーの権威である中国国際問題研究所研究員の夏義善氏は、中国が石油輸送専門の国際鉄道を建設することはあり得ないと表明した。

 海外の報道は、中国が総工費8.61億ドルをかけて、新疆から中央アジア地域へ2本の鉄道路線を建設することを計画しており、うち1本は中国とカザフスタン国境のKorgaで中国の鉄道に接続させ、もう1本は、この鉄道を西へ延伸させてカザフスタンのSary-Ozek鉄道に合流させるというもの。鉄道の一部路線は年内に完成すると伝えられていた。

 中国は中央アジア諸国の石油・天然ガスプロジェクトに参加しており、また、中国の石油対外依存度は絶えず上昇している。中国国内のエネルギーセキュリティにとって海外の石油・天然ガス資源の重要性はますます高まっているとされており、そのため、この鉄道建設計画は米国政府やインドの石油企業から大きな注目を集めた。

 しかし、夏義善氏によると、今年中に完成する鉄道というのは新疆のホルコス市を経由する総合鉄道路線のことであり、報道されたような石油輸送専用ではなく、中国とカザフスタンの貿易交流を高めるためのものである。

 中国とカザフスタンの間にはすでにアラシャンコウを通商口とする国際鉄道路線が開通しているが、この鉄道も総合鉄道であり、どんな商品でも輸送すること出来る。

 夏義善氏は、中国−カザフスタン石油パイプラインはすでに開通しており、しかもパイプラインの送油能力にはまだゆとりのある状況で、パイプラインよりもコストの高い鉄道を使ってわざわざ石油輸送行うことはまずあり得ないと言う。

 なお、夏義善氏が言及した鉄道は「精河−イリ−ホルコス鉄道」のこと。この鉄道が開通すると、ホルコスはアラシャンコウに次ぐ新疆第2の鉄道通商口となる。ホルコスはアラシャンコウに比べカザフスタン最大の都市アルマトイに200kmも近く、輸送コストは大幅に下がる。

 「当然ながら、総合鉄道は様々な商品を輸送することができる。必要があれば、この鉄道が石油を輸送する可能性はないとは言えない」と夏義善氏は付け加えた。

 (新疆新聞在線 2月5日)