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【エネルギー全般・政治経済】

国家能源局が2016年エネルギー工作指導意見を通達 (16/04/02)
2016/4/2
中国【エネルギー全般・政治経済】

 国家能源局は4月1日、《2016年エネルギー工作指導意見》を通達した。これは、エネルギーの生産と消費、技術革新、体制と仕組み、国際協力等の面で計画配置を行ったものであり、今年のエネルギー分野における改革と発展の行動指針になる。以下、4つの焦点について整理した。

 今年のエネルギー発展目標

 エネルギー消費の面では、2016年のエネルギー消費総量を約43.4億tce(石炭換算トン)とし、非化石エネルギー消費の比率を13%前後、天然ガス消費の比率を6.3%前後にして、石炭消費の比率を63%以下に下げる。

 エネルギー供給については、2016年のエネルギー生産総量を36億tce前後とし、石炭生産量を36.5億トン前後、原油生産量を2億トン前後、天然ガス生産量を1,440億m3前後とする。

 エネルギー効率の面では、2016年の単位GDP当たりエネルギー消費を前年比3.4%以上引き下げ、石炭火力発電所の1kWh当たりの発電用石炭消費を314gce(石炭換算グラム)として、前年より1グラム引き下げる。

 エネルギー体制の革新

 《石油・天然ガス体制改革の深化に関する若干の意見》を策定し、石油・天然ガス改革総合実験の展開を検討する。石油の探査、採鉱、輸入、精製への参入自由化を整然と進め、石油・天然ガスパイプライン網と施設の公平な開放を促進する。

 石炭火力発電の新規増設規模を厳重に規制し、大気汚染防止重点地区や電力設備に著しい余剰がある地区については、原則として新規石炭火力発電所の建設を部署せず、計画に盛り込まれている事業や許認可済み(建設中)の石炭火力発電事業については、撤回、許認可の先送り、建設の延期を行う。

 クリーン化と低炭素化のスピードアップ

 非化石エネルギーの発展の面では、引き続きAP1400事業の建設を推進するとともに、大型先進加圧水型炉CAP1400実証事業の着工を目指し、沿海部のAP1000新規事業の建設を適時始動する。条件に優れる原子力発電所の立地先の保護と実証を進め、新規事業のプレスタディを穏当に推進する。同時に太陽エネルギーの発展に力を入れ、太陽光発電「先駆者」基地建設の規模を拡大するとともに、太陽熱発電実証事業の建設を引き続き推進する。

 電気自動車充電スタンドの建設を全面的に推進する。2016年には充電ステーション2,000ヵ所余り、分散型充電スタンド10万本、プライベート用充電スタンド86万本の計画と建設を進め、各種充電施設の総投資額を300億元とする。

 電気への転換を幅広く推進する。暖房、工業・農業生産、交通・運輸などの分野で、現地の状況に応じて電気による暖房、電気ボイラー(キルン)、蓄電ピーク調整等の事業を展開し、民生用石炭や燃油から電気への転換を整然と進める。2020年まで民生用石炭及び燃油の消費から電気への転換を約1.3億tce相当とするよう計画する。

 エネルギー国際協力の推進

 重要エネルギー設備の「走出去」(対外進出)を加速推進する。原子力発電の「走出去」を前向きに推進するとともに、火力発電設備や水力発電設備などの在来型大規模プラントの輸出を拡大する。風力発電、太陽光発電など新エネルギー設備の輸出を広げ、製油化学の設備、運営、設計企業の「集団海外進出」を奨励する。

 国際石油・天然ガスインフラの建設に積極的に参加し、「一帯一路」沿線諸国の石油・天然ガスパイプライン網の相互連携を促進する。中露天然ガスパイプライン西線事業を実務的に推進する。

  (人民網 4月2日)