中国石油天然気（PetroChina）、中国石油化工（Sinopec）、中国海洋石油（CNOOC）の中国石油大手3社が公表した「2015年年次報告書」によると、各社の2015年純利益は、PetroChinaが355.17億元（前年比66.86%減）、Sinopecが322.07億元（同32.10%減）、CNOOCが202.46億元（同66.37%減）で、いずれも大幅減益となった。

　　　　　　（出所）弊所作成

図1　中国石油大手3社の純利益

　2015年は国際油価が大幅下落した上、中国国内の業務用天然ガス価格も下落したため、石油・天然ガス企業には大きな打撃となった。特に、上流の石油・ガス探査事業の割合が高いPetroChinaとCNOOCは、石油化学事業の割合が高いSinopecより痛手を受けた。2015年、Sinopecは純利益でPetroChinaを追い上げた。

　全体では大幅減益となったが、3社の天然ガスの販売量、販売額は順調に伸びた。国家発展改革委員会が2度にわたり業務用天然ガスのシティゲート価格を引き下げたため、3社の天然ガス販売価格は下落したが、天然ガス消費量が伸びたため、販売額は増加した。

  このため、3社とも天然ガス事業を推進する意向を示している。PetroChinaは3月31日にBPと四川盆地のシェールガス事業に関する協力で合意。Sinopecは四川・重慶地域での天然ガス生産量を倍増し、年産300億?を目指す。CNOOCも天然ガス田の探査・開発を強化し、天然ガス事業に力を入れる計画。

 

（卓創資訊4月6日）