1. HOME
  2. 中国 【石炭】

中国
【石炭】

中国の石炭企業は生産能力過剰の長期リスクに直面 (16/04/14)
2016/4/14
中国【石炭】

 4月11日、李克強首相は一部の省・直轄市政府の幹部を召集して経済動向座談会を開き、伝統的動力源の改造、老朽化生産能力の淘汰、鉄鋼や石炭など過剰生産能力の解消を速やかに進めることが必要であると強調した。

 現在、鉄鋼と石炭産業の赤字は極めて深刻であり、2015年度の年次報告や業績予想を発表した鉄鋼上場企業37社の中で収益を上げたのはわずか9社に止まり、75%の企業は赤字である。しかも、業界の筆頭企業や大手企業の多くが巨額の赤字を計上しており、重慶鋼鉄の赤字は59.8億元、鞍鋼の赤字は45.9億元、馬鋼股份の赤字は48.04億元、武鋼の予想赤字額は68億元に上る。

 一方、中国煤炭工業協会の姜智敏副会長によると、石炭産業全体で赤字企業の比率は95%に達し、2015年11月までの時点で全国の一定規模以上の石炭企業の営業収入は前年同期比14.6%減少し、利益は61.2%減少して、減益幅は2014年同期に比べ16.8%上昇した。

 国家統計局のデータからも、石炭産業の状況は今年も依然楽観できないことが分かる。採炭・選炭業は今年1〜2月に前年同期比17.1%の減収、111.1%の減益になった。

 「脱生産能力」が「供給側改革(サプライサイド改革)」の最優先の任務であることはすでにコンセンサスになっている。

 国務院が通達した脱生産能力に関する意見に基づき、鉄鋼産業は2016年から5年かけて、粗鋼生産能力1〜1.5億トンを削減し、石炭産業は3〜5年がかりで5億トンの生産能力を退出させ、さらに再編によって5億トンの生産能力を削減する。

 地方政府もすでに行動を起こしており、山西省は《山西省国家資源型経済転換総合改革実験実施方案(2016〜2020年)》を通達して、「革命的な石炭産業振興」の実施を打ち出した。江西省宜春市は13ヵ所の小炭鉱を閉鎖し、福建省漳州市は北朝鮮からの石炭輸入を全面的に停止した。山東省は2015年に炭鉱40ヵ所を閉鎖して老朽化生産能力614万トンを淘汰するとともに、炭鉱19ヵ所の改造を進め、324万トンの生産能力を淘汰した。2015年末時点で山東省は年産30万トン以下の小炭鉱を全て閉鎖した。

 安徽、河北、山西、貴州、吉林、遼寧、山東、河南はすでに鉄鋼・石炭産業の脱生産能力計画案を国務院の関係部局に提出したとの情報もある。 

 (中国煤炭新聞網 4月14日)