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中国
【石炭】

BPエネルギーアウトルック 世界の石炭需要は2027年にピーク 中国は2030年 (16/04/28)
2016/4/28
中国【石炭】

 《BPエネルギーアウトルック2016》中国語版が4月26日、北京で発表された。

 BPの予測によると、世界の石炭需要は2027年にピークに達し、2028〜2035年は年平均0.3%のペースで低減する。また、中国の石炭需要のピークは、昨年のBPエネルギーアウトルックの予想よりも5年遅く、2030年に到来する。

 今回のエネルギーアウトルック2016年版は、2035年の世界のエネルギー需要予測を2015年版に比べて、1%、1.5億toe下方修正した。うち石炭需要予測については、6%、2.7億toe下方修正した。大幅に下方修正したのは、中国の石炭消費が経済のリバランスに伴って減速するからである。
 
 しかしながら、中国は世界最大の石炭市場であることに変わりはなく、2035年も世界の石炭供給のほぼ半分を占めることになる。一方、OECD諸国の石炭需要は50%以上減少すると予想される。これは天然ガス供給の充足や再生可能エネルギーのコスト低下、環境保護法規の厳正化に起因する。

 中国の石炭需要の年平均伸び率は、2000〜2014年には8%に上っていたが、予測期間においてはわずか0.2%に鈍化し、2030年にピークに達する。但し、BPの2015年版エネルギーアウトルックに比べると、ピーク時期は5年遅くなっている。中国の一次エネルギーに占める石炭の比率は、2014年は約3分の2に上っていたが、2035年には50%弱に下がる。

 BP首席エコノミストのSpencer Dale氏は、中国の石炭消費の年平均伸び率を0.2%とする予測は楽観的なものであると指摘し、「我々は、中国のエネルギー構造の中で石炭の比重は一貫して下がると予測しており、しかもこうした観点は大多数の専門家も同意している」と述べた。

 中国は石炭に対する依存を減らすことになり、経済成長を支える上での石炭の重要性は著しく下がる。予測期間の最後の5年間、石炭需要は下がりつつも、経済は依然成長を続ける。

 中国のエネルギー構造は引き続き変化し、石炭の比重は2014年の66%から、2035年には47%に下がることになる。一方、天然ガスの比重は11%に倍増し、石油の比重は相変わらず約19%を維持する。

 また、BPのエネルギーアウトルック2016年版は、中国は2035年には欧州を抜いて世界最大のエネルギー輸入国になり、輸入依存度は2014年の15%から23%に上昇するとの予測を示している。

 2035年には中国が世界のエネルギー消費総量の25%を占める見通しであり、また、2032年には米国に代わって世界最大の液体燃料(原油、コンデンセートなど)消費国になる。

 中国が世界のエネルギー需要に占める比重は、2014年の23%から2035年には26%に上昇し、中国のエネルギー需要の増加が世界の純増分の32%を占める。

 (中国煤炭資源網 4月28日)