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中国
【原子力】

中国が600億元投じて浮体式原子力発電所を建設へ (16/04/25)
2016/4/25
中国【原子力】

 中国は海洋経済をますます重視するようになっており、大量の船舶を建造する他にも原子炉を投入することも計画している。中国船舶重工は初の洋上浮体式原子力発電所を建造し、将来的には20基近くの海洋核動力プラットフォームを建設する計画である。

 国家発展改革委員会弁公庁の《国家エネルギー科学技術重要実証事業・海洋核動力プラットフォーム建設に関する回答文書》によると、中国船舶重工は傘下の渤海船舶重工において核動力実証プラットフォームの建造を行なうことを決定している。4月19日、渤海船舶重工は事業着工の資格を速やかに取得するため、遼寧省経済情報化委員会、葫蘆島市経済情報化委員会、中船重工核安全弁公室駐渤海船舶監督組や第719研究所の関係者を招いて、海洋核動力プラットフォーム実証事業建造工場の立地に関する論証会議を開いた。

 浮体式原子炉は陸地から離れた洋上にあるため、地震や津波の影響を受けることはない。また、海洋は緊急の放熱器でもあり、事故が発生した場合、浮体式原子炉は海水を引き入れて炉芯の溶融を阻止し、原子炉の安全を保証することが出来る。浮体式プラットフォームは体積が小さく、専用の場所に曳航して集中的に保守と処理を行なうことが出来る。洋上浮体式原子力発電所は、小型で移動可能な原子力発電所の縮小版を船舶に設置するものであり、辺境の島嶼に安全で効率的なエネルギー供給を行なうだけでなく、遠洋で作業を行なう海上石油・天然ガスリグに電力、熱力や淡水を提供することも出来る。

 中国船舶重工科技部の関係幹部によると、同社は海洋核動力プラットフォーム実証事業の建設に約30億元を投資する。完成すると、40年間の稼動期間で約226億元の売電収入を上げることが出来る。中国船舶重工は渤海油田のエネルギー需要を賄うため、20基近くの海洋核動力プラットフォームを建設する計画である。量産が実現すると、1基当たりの投資は約20億元になる。核動力設備製造の生産高は毎年100億元に上り、関連産業の発展にも波及する。

 (chinabidding.com 4月25日)