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【エネルギー全般・政治経済】

神華集団と中国航油が戦略協力 石炭由来ジェット燃料事業を始動 (16/05/04)
2016/5/4
中国【エネルギー全般・政治経済】

 4月26日、神華集団は中国航空油料集団(中国航油)と戦略協力協定を結び、石炭由来ジェット燃料事業を始動した。

 神華集団と中国航油の主な協力事業は次の通り。

 ●石炭由来ジェット燃料の研究開発と標準体系の構築

 神華は100万トン級石炭液化事業の商業化を実現しており、同社の石炭液化油は石炭由来ジェット燃料の研究と生産のベースになる。2015年7月、神華集団と空軍後勤部は共同で石炭由来ジェット燃料の初試験フライトを行い、成功を収めた。また、中国航天科技集団と共同で液体酸素石炭由来ジェット燃料を開発し、2015年4月にロケットへの応用に成功した。

 ●ジェット燃料IoT(モノのインターネット)の構築

 中国航油は全国にジェット燃料と石油製品の販売ネットワークと石油製品物流配送システムを構築している。全国190余りの空港に給油施設を有し、世界の航空会社200社余りにジェット燃料の給油サービスを行なている。また、25の省・自治区・直轄市でガソリンと軽油及び石油化学製品の卸売、小売や配送を展開し、長江デルタ、珠江デルタ、環渤海湾や西南地区に石油製品及び石油化学製品の物流・貯蔵・輸送基地を擁している。

 ●サービスステーションと石油製品販売ネットワークの共同建設

 民用サービスステーションと石油製品販売ネットワークを共同で建設する。中国航油は全国の多数の中核都市や周辺地区に小売ネットワークを確立している。

 ●科学技術のイノベーションと協力の強化

 液体燃料、特にジェット燃料分野で科学技術のイノベーションと協力を強化する。

 ●新エネルギー

 新興エネルギー産業分野で情報の共有と投資協力を強化する。神華は風力発電分野では全国に620万kWの設備を有し、太陽光発電分野では23.3万kWの設備を有するとともに、薄膜太陽電池や太陽熱発電の研究開発も展開している。また、原子力発電分野では中核集団、中広核集団や米国のテラパワー(Terra Power)と協力を展開し、原子力発電所の建設に資本参加するとともに、次世代原子力発電技術の開発にも関わっている。神華は今後は水素エネルギーの安全な貯蔵と輸送技術を発展させ、水素製造の大規模化、低コスト化造を進め、水素エネルギーインフラに戦略的投資を行なうことになる。

 ●海外事業協力

 神華と中国航油は国の「一帯一路」戦略を契機として協力を強化し、海外進出を共同で進める。

 (中国煤炭資源網 5月4日)