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【原子力】

中核集団と国家核電が国内天然ウラン開発をめぐってトップレベルの協力を実現 (16/05/12)
2016/5/12
中国【原子力】

 原子力発電の大規模開発が改めて始動する中、国内天然ウラン開発をめぐる協力もすでに動き始めている。
 
 中核集団地鉱事業部の発表によると、中核集団と国家核電は共同出資による国内天然ウラン開発のトップレベルの協力プラットフォームの組織化について討議を行なった。両社は可及的速やかに詳細な協力案を策定し、年内にはプラットフォーム公司の登記を目指して、産業協力の模範にすることで一致した。また、両社は海外ウラン資源開発など共通の関心を有する問題についても協議し、国家核電はウラン価格の上限・下限メカニズムの確立を理解・支持し、海外協力に積極的に参加すると表明した。

 今回の会議では、中核集団地鉱事業部の杜運斌主任が第13次5ヵ年計画期の国内天然ウラン産業の改革と発展の全体計画や中央政府及び中核集団の要望について説明し、特に国内天然ウラン開発のトップレベルのプラットフォームの構想について重点的に解説した。杜運斌主任は、中核集団の北方の優良天然ウラン資産を基礎に、国家核電並びに関係方面とともに統一的、開放的な協力プラットフォームを構築することを提唱した。

 国家核電党組書記の郭宏波氏も、トップレベルのプラットフォームは国家の要請であるとともに、天然ウラン産業の健全な発展にとっても正しい方向性であり、原子力発電事業の原料の持続的供給を保障するものであると表明し、両社の協力はすでに基礎が固まっており、国家核電は決然とプラットフォーム公司の組織に参加すると述べた。

 アナリストは、中核と国核の今回の会議は国内天然ウラン開発多元化のシグナルであると見ている。

 中核集団地鉱事業部は中核集団の子会社として、2011年9月、中国核工業地質局、中核金原鈾業有限責任公司及び中国国核海外鈾業有限公司の管理機能を統合して組織され、主に国内外のウラン鉱等の探査、開発、採鉱、精錬業務に従事している。一方、再編後の国家核電は国家電力投資集団の産業集団公司として、第三世代原子力発電技術の導入、消化、吸収、再イノベーションの戦略任務を担当し、原子力発電所の投資運営、技術開発、エンジニアリングサービスや電源、電力網、新エネルギーのエンジニアリングサービスも手がけている。アナリストによると、中国原子力発電大手3社の中で唯一ウラン開発部門を持たない国家核電にとって、今回の天然ウラン開発への参入は整った原子力発電産業チェーンの構築を補完するものになる。

 天然ウランの開発と備蓄は原子力発電産業の持続可能な発展のみならず、エネルギーセキュリティにも関わる。今年3月に公布された《第13次5ヵ年計画綱要》は2020年の稼動中の原子力発電設備容量を5,800万kW、建設中を3,000万kW以上にするとともに、天然ウラン備蓄規模を拡大することを明確に打ち出している。

 公開情報によると、中国は過去15年間において、40ヵ所余りのウラン鉱床を発見し、うち10ヵ所余りは大型、超大型であり、あるものは超大型の規模をも超えている。中国のウラン資源開発は南北とも並行して進める新たな構造を形成しており、北方の天然ウラン資源は、イリ、トルファン・ハミ、巴音戈壁、オルドス、二連、松遼の6つの盆地の砂岩型ウラン鉱である。

 業界の専門家によると、中国のウラン資源はポテンシャルが大きく、未探査のエリアも大きい。特に北方の砂岩型ウラン鉱が主要攻略対象になる。

 (中国能源網 5月12日)