5月12日発表のIEA月次報告によると、2016年4月イランの原油生産は、1月比70万b/d増の356万b/dと、経済制裁前2011年11月の水準まで戻した。これによりOPEC全体の原油生産もほぼ8年ぶりの高水準に達した。一方、原油価格は、1月に12年来の安値をつけてから60%以上値を戻し、5月12日のロンドンの終値は昨年11月以来最高値の終値$48.02/bとなった。これは、昨年11月以来、ナイジェリア、リビヤ、ベネズエラでの供給減がイランからの本年4月の輸出増60万b/dとほぼバランスしたためとIEAでは見ている。これらから、6月2日のOPEC総会で原油生産量の上限合意は急がないのではとの分析も出てきている。