脱生産能力政策が執行される中、石炭価格は長期にわたる下落を経て、ようやく安定する中でも上昇する兆しを示し始めた。

　中国神華集団は6月の海運一般炭（下水煤）FOB価格対策を1日より開始した。神華傘下の海運一般炭価格は5月期に比べ、10〜19元/トン上昇した。

　神華以外に「4大石炭企業」の他の3社、中煤能源集団、大同煤鉱集団、伊泰集団の海運一般炭価格も程度の差はあれいずれも上昇した。5月27日、中国煤炭工業協会と「4大石炭企業」は北京で「4＋1」会議を開き、6月に大手4社の海運一般炭価格を前月比10元/トン引き上げることを決定した。

　業界内の見方によると、その影響で、石炭価格のバロメーターである環渤海一般炭指数は、ここ2ヵ月余りの安定局面が終了する。6月1日の環渤海一般炭指数によると、5500キロカロリー一般炭総合平均価格の終値は390元/トンになり、前月比1元/トン上昇した。

　業界関係者は取材に対し、1元の上昇は市場の予想を下回ったものの、今後は400元/トンを突破する価格帯が期待されると表明した。

　「4大石炭企業」が前回集団値上げを決定したのは2月26日であった。同日の「4＋1」会議は3月の大手4社の海運一般炭価格を2月の価格から10元/トン引き上げることを決定し、その後、4〜5月、価格は安定を維持していた。

　4〜6月は例年石炭需要のオフシーズンであり、石炭価格には通常下落が生じるが、今年は例年とは異なる動きを示した。業界関係者の多くが指摘するところでは、各地の脱生産能力熱が高まり、石炭減産政策も厳正に執行されているため、市場への石炭供給が減少し、加えて、市場は減産政策がさらに厳しくなり、生産能力がさらに下がると予想している。今回の石炭価格の上昇は市場の予想に合致している。

　もっとも、今回の石炭価格の上昇は主に政策ファクターによるものであり、下流の需要が好転したわけではない。石炭価格が再び上昇できるかどうかについては、業界関係者は依然懐疑的である。

　（中国能源網 6月6日）