中国税関総署が6月21日に発表した統計によると、今年5月に中国がロシアから輸入した原油は524.5万トンの過去最高を記録した。1日当たり124万BDになり、前年同月より33.7%増加した。
ロシア原油の輸入が過去最高を記録するのは、ここ2ヵ月連続であり、4月期のロシア原油輸入量は481万トン、前年同月比52.4%増になった。
5月期の中国の原油輸入は3,224万トン、前年同月比では39%と大幅に増加したものの、前月比では4.3%減になった。
原油輸入量の大幅な増加については、「双権」(輸入原油使用権と原油輸入権)を獲得したばかりの山東省の地方製油所の功績は無視できない。4月期の統計によると、山東省の地方製油所に近い青島港の原油輸入量は中国の同月の原油総輸入量の30%を超えている。
但し、最近の国際油価の上昇で、こうした状況も持続が難しい。卓創資訊のアナリストである臧文剛氏は毎日経済新聞の取材に対して次のように表明した。山東の民営製油所の輸入原油精製コストは急上昇を開始している。一方、中国国内の油田の運営状況にも顕著な好転が生じることになり、国内原油生産量が底入れして反発する可能性もある。5月以降には中国の原油爆輸入にも沈静化が発生する可能性が高い。
地方製油企業の原油買入は尻すぼみに
原油価格は2月以降上昇が続いているものの、数ヵ月前に結ばれた原油輸入契約には影響が及ばない、
中国の月間原油輸入量は2016年2月以降、4ヵ月連続で3,000万トンを超えており、今年1〜5月の原油輸入量は合計1.56億トンに達し、昨年の年間輸入量の半分近くになる。
輸入量の激増は山東の地方製油所が集中的に石油を購入したことと無縁ではない。青島税関の統計によると、今年1〜5月の山東省の原油輸入量は1,893万トンに達し、全国総輸入量の12%以上を占め、前年同期比では416.9%の増加になった。
青島税関によると、原油輸入量激増の主な原因は、「双権」(輸入原油使用権と原油輸入権)の逐次開放に帰せられる。
昨年2月、国家発展改革委員会は《輸入原油使用管理関連問題に関する通達》を示達し、条件に適合する地方製油所が一定規模の老朽化生産能力の淘汰や一定規模のガス貯蔵施設の建設を前提に輸入原油を使用することを許可した。卓創資訊の統計によると、現時点で許可された原油輸入枠は約7,000万トンであり、さらに約2,000万トンの輸入枠が申請中である。
しかしながら、国際油価はここ3ヵ月の変動を経て上昇が続き、すでに50ドル/バレルの心理的なハードルを突破している。臧文剛氏によると、中国の民営製油所が集中している山東省の民営製油所の輸入原油精製コストはすでに急上昇を開始し、今後は必ずしも大量の原油輸入が続くとは限らない。
ロシア原油輸入量が連続で記録更新
2015年、中国は米国を抜いて世界最大の原油輸入国になり、各産油国の中国争奪戦も日増しに激しくなっている。今のところ、中国市場をめぐる争奪戦において、ロシアがリードしている。
油価の下落が始まった2014年の中国への原油輸出国は、サウジが4,967万トンで第1位、アンゴラが第2位であり、ロシアは3,300万トンで第3位だった。この順位はそれまで固定的であった。
しかし、昨年以来、ランキングに変化が生じ、昨年5月の対中原油輸出ではロシアが初めてサウジを抜いて首位に立った。その後数ヵ月、ロシアとサウジは対中原油輸出で首位を何度か交代した。昨年11月、ロシアが再びサウジを抜き、その後数ヵ月間のロシアからの原油輸入は「激増」と形容できるまでになった。
統計によると、昨年12月のロシアから中国への原油輸出は481万トンであったが、今年5月には524.5万トンに激増した。一方、中国が今年5月にサウジから輸入した原油は408万トン、中国の原油輸入総量の12.7%を占めた。2014年の中国の石油輸入総量の中でサウジは約16%を占めていた。
しかしながら、国際油価の逐次回復に伴い、こうした局面が打破される可能性もある。臧文剛氏によると、中国石油大手3社の原油採掘コストで最も高いのは中国海洋石油(CNOOC)の海上リグであり、総合コストは4〜45ドル/バレルである。理論上は、当面の国際油価水準が続くと、中国国内油田の運営状況も著しく好転し、黒字転換も期待できる。中国国内の原油生産量は底入れして反発に転じる可能性もある。
また、臧文剛氏は、国内油田の採掘や民営製油所の原油輸入など様々な側面を勘案した上で、5月以降、中国の原油爆輸入の局面が沈静化する可能性は極めて高いと分析している。
(毎日経済新聞 6月22日)
中国税関総署が6月21日に発表した統計によると、今年5月に中国がロシアから輸入した原油は524.5万トンの過去最高を記録した。1日当たり124万BDになり、前年同月より33.7%増加した。
ロシア原油の輸入が過去最高を記録するのは、ここ2ヵ月連続であり、4月期のロシア原油輸入量は481万トン、前年同月比52.4%増になった。
5月期の中国の原油輸入は3,224万トン、前年同月比では39%と大幅に増加したものの、前月比では4.3%減になった。
原油輸入量の大幅な増加については、「双権」(輸入原油使用権と原油輸入権)を獲得したばかりの山東省の地方製油所の功績は無視できない。4月期の統計によると、山東省の地方製油所に近い青島港の原油輸入量は中国の同月の原油総輸入量の30%を超えている。
但し、最近の国際油価の上昇で、こうした状況も持続が難しい。卓創資訊のアナリストである臧文剛氏は毎日経済新聞の取材に対して次のように表明した。山東の民営製油所の輸入原油精製コストは急上昇を開始している。一方、中国国内の油田の運営状況にも顕著な好転が生じることになり、国内原油生産量が底入れして反発する可能性もある。5月以降には中国の原油爆輸入にも沈静化が発生する可能性が高い。
地方製油企業の原油買入は尻すぼみに
原油価格は2月以降上昇が続いているものの、数ヵ月前に結ばれた原油輸入契約には影響が及ばない、
中国の月間原油輸入量は2016年2月以降、4ヵ月連続で3,000万トンを超えており、今年1〜5月の原油輸入量は合計1.56億トンに達し、昨年の年間輸入量の半分近くになる。
輸入量の激増は山東の地方製油所が集中的に石油を購入したことと無縁ではない。青島税関の統計によると、今年1〜5月の山東省の原油輸入量は1,893万トンに達し、全国総輸入量の12%以上を占め、前年同期比では416.9%の増加になった。
青島税関によると、原油輸入量激増の主な原因は、「双権」(輸入原油使用権と原油輸入権)の逐次開放に帰せられる。
昨年2月、国家発展改革委員会は《輸入原油使用管理関連問題に関する通達》を示達し、条件に適合する地方製油所が一定規模の老朽化生産能力の淘汰や一定規模のガス貯蔵施設の建設を前提に輸入原油を使用することを許可した。卓創資訊の統計によると、現時点で許可された原油輸入枠は約7,000万トンであり、さらに約2,000万トンの輸入枠が申請中である。
しかしながら、国際油価はここ3ヵ月の変動を経て上昇が続き、すでに50ドル/バレルの心理的なハードルを突破している。臧文剛氏によると、中国の民営製油所が集中している山東省の民営製油所の輸入原油精製コストはすでに急上昇を開始し、今後は必ずしも大量の原油輸入が続くとは限らない。
ロシア原油輸入量が連続で記録更新
2015年、中国は米国を抜いて世界最大の原油輸入国になり、各産油国の中国争奪戦も日増しに激しくなっている。今のところ、中国市場をめぐる争奪戦において、ロシアがリードしている。
油価の下落が始まった2014年の中国への原油輸出国は、サウジが4,967万トンで第1位、アンゴラが第2位であり、ロシアは3,300万トンで第3位だった。この順位はそれまで固定的であった。
しかし、昨年以来、ランキングに変化が生じ、昨年5月の対中原油輸出ではロシアが初めてサウジを抜いて首位に立った。その後数ヵ月、ロシアとサウジは対中原油輸出で首位を何度か交代した。昨年11月、ロシアが再びサウジを抜き、その後数ヵ月間のロシアからの原油輸入は「激増」と形容できるまでになった。
統計によると、昨年12月のロシアから中国への原油輸出は481万トンであったが、今年5月には524.5万トンに激増した。一方、中国が今年5月にサウジから輸入した原油は408万トン、中国の原油輸入総量の12.7%を占めた。2014年の中国の石油輸入総量の中でサウジは約16%を占めていた。
しかしながら、国際油価の逐次回復に伴い、こうした局面が打破される可能性もある。臧文剛氏によると、中国石油大手3社の原油採掘コストで最も高いのは中国海洋石油(CNOOC)の海上リグであり、総合コストは4〜45ドル/バレルである。理論上は、当面の国際油価水準が続くと、中国国内油田の運営状況も著しく好転し、黒字転換も期待できる。中国国内の原油生産量は底入れして反発に転じる可能性もある。
また、臧文剛氏は、国内油田の採掘や民営製油所の原油輸入など様々な側面を勘案した上で、5月以降、中国の原油爆輸入の局面が沈静化する可能性は極めて高いと分析している。
(毎日経済新聞 6月22日)