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フィリピンの電力部門、300億ドル規模の投資が必要なものに(16/6/23)
2016/6/23
アジア【電力】

 Asian Institute of Managementが主催するメディア変革討論会で、フィリピンの実業家マヌエル・V・パンギリナン氏は、今後15年間で見込まれるフィリピンの経済拡大を受けて、電力部門の需要が少なくとも300億ドルの発電計画を行うだけのものに成長する必要があると述べた。同氏によると、2030年までにフィリピンの電力需要は伸び続けると見込まれ、古い石油火力発電所の建て替えを含めて現在の16,000MWの発電設備容量からさらに10,000MW増量できるだけの発電設備を建設する必要がある。今後15年で、単純計算で1MW当たりの建設コストが200万ドルと計算すれば、合計200〜300億ドルの投資額が求められる。同時に、政府から将来の電力構成について明確な指針が示され、電力事業者はその指針に沿って投資を行うようになる。

 アキノ政権下では、エネルギー省(DOE)が発表した政策において電力構成を石炭30%、ガス30%、再生可能エネルギー30%、石油10%とする目標を示したが、現在の電力構成は石炭および石油火力が5割以上で、ガス30%、再生可能エネルギー10%となっている。DOEはより多くの再生可能エネルギー電源を導入する考えを持っているが、現実問題は再生可能エネルギーのコスト負担は対策をどのように行うかという点で、政府の対応が問われる。

(The Philippine Star 2016年6月23日)