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【石油・天然ガス】

中国の「ティーポット」製油所が石油輸出国の争奪戦の対象に (16/07/19)
2016/7/19
中国【石油・天然ガス】

 貿易業界の消息筋がロイターに明かしたところによると、スイスの石油貿易商Trafiguraのイラン原油を積んだタンカーが今週中国東部に到着する。石油輸出国は中国の独立系製油所の輸入需要という商機をめぐってますます熾烈な争奪戦を演じている。中国の「ティーポット」製油所は今や「逐鹿之地」になっている。

 イランが満を持して中国の「ティーポット」製油所へ石油販売

 消息筋によると、イラン国営石油会社NIOCはTrafiguraへ2,000万バレルのイラン重質原油を販売し、6月末にOlympic Targetというスーパータンカーに積載し、同タンカーは山東へ向かった。但し、この件についてTrafiguraもNIOCもコメントを避けている。

 中国当局は昨年、独立系製油所の原油輸入を許可したため、地方製油企業の調達熱が高まり、従来見られなかったサウジアラビアやクウェートからの供給も導入されるケースさえあった。一方、イランは1月に西側からの制裁が解除されて以来、グローバル市場におけるシェア回復を徐々に進めているが、現在山東省の新たな買主に照準を合わせている。

 もし上記の情報が事実であるなら、Trafiguraは他の主要貿易企業に先んじてイラン石油を中国の「ティーポット」製油所に販売した最初の貿易企業になる。

 イランから中国の「ティーポット」製油所への販売には制約

 しかしながら、消息筋がロイターに明らかにしたところでは、この取引は条件付のものであり、Trafiguraは中国の「ティーポット」製油所に原油を販売するとともに石油は山東で荷揚げすること、その「ティーポット」製油所はNIOCの以前からの中国の顧客(シノペックやCNPCも含む)でないことが条件になる。

 「ティーポット」製油所の石油輸入は原油備蓄部門の運用が必須

 一方、イランから中国への石油販売事情に詳しい北京の貿易関係官僚は、「超大型タンカーを受け入れる能力を備えるティーポット製油所は一つもない、しかも、中国の原油備蓄部門を運用しなければ、NIOCが原油をティーポット製油所に売却することは極めて難しい。なぜなら、ティーポット製油所の原油需要は2016年の中国の原油調達の増加分の半分以上を占め、港湾で荷揚げするため行列するタンカーは中国の原油備蓄部門の運用を要するからだ」と述べた。

 (匯通網 7月19日)