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【石油・天然ガス】

日中の石油化学業界の協力に3つの分野で大きな展望 (16/08/03)
2016/8/3
中国【石油・天然ガス】

 8月1日、中国石油化工聯合会と日本経済同友会の座談会が北京で開かれ、中国石油化工聯合会の李寿生会長は第13次5ヵ年計画期に日本の石油化学業界と3つの分野で重点協力を展開できるよう希望すると表明し、第1に戦略的新興産業、第2に企業管理並びに社会責任、第3に化学工業団地をめぐる協力を挙げた。

 李会長は次のように表明した。第13次5ヵ年計画期に中国の石油化学産業は4大任務に向き合うことになる。すなわち、伝統産業の経営面の優位の強化と向上、戦略的新興産業の育成、科学技術イノベーション能力の向上、そして発展方式の転換である。こうした過程において、日中間の協力には様々なチャンスがある。例えば、戦略的新興産業の面では、日本の石油化学業界は化学新材料、省エネ・環境保護や専用化学品分野で極めて強い技術上の優位を備えている。また、日本の企業は企業管理や社会責任の面でも非常にうまくやっている。この2つの面で日中の石油化学業界が全面的に協力を展開できるようなることを希望する。中国の化学工業団地は近年急速に発展しており、多くの日本企業もすでに中国の優れた化学工業団地の発展に加わっている。化学工業団地をめぐる日中間の協力には極めて大きなポテンシャルがある。

 また、李会長は日本側が関心を寄せる問題について次のように回答した。中国の生産能力過剰問題については、政府と市場の協同によって(解決を)推進しなければならない。老朽化生産能力の淘汰に伴う失業問題については今のところ際立ったものではない。第1に、あくまで老朽化生産能力を淘汰するだけであり、企業を閉鎖するわけではない。第2に、急速に発展しているサービス業の雇用の吸収・受入能力が高まりつつある。経済発展がもたらす環境問題については、中国政府も安全と環境保護を極めて重視しており、第13次5ヵ年計画期も中国経済は発展し、環境問題は大幅に改善するに違いない。

 日本経済同友会の小林喜光代表幹事は日本の化学工業のグレードアップと世代交代の面での経験を紹介し、次のように表明した。石油製品の深加工のみを指向する所謂コモディティ化の化学工業はすでに行きつくところまで行ってしまった。そのため、日本はエチレンクラッカーの分野で減産を進めた。それに伴う従業員の配置転換問題を解決するため、日本は環境保護とヘルス分野で様々な対策を進めた。現在、日本は植物大分子に材を取るバイオマスエネルギー、省エネ性能を高める断熱材料や炭素繊維等の化学新材料の発展に注力している。また、日本が目下注目しているのはいかにして第4次産業革命に融合するかということである。例えば、大手の化学企業や化学工業団地においてどのようにすれば全体的にビッグデータの収集と統合を進めるとともに自社の業務に応用するのかということである。

 今回の座談会には、中国石油化工聯合会の趙俊貴副会長兼事務局長、傅向昇副会長、日本経済同友会の伊東信一郎副代表幹事及び日本の企業界の代表40名余りが参加した。

 (中化新網 8月3日)