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【石油・天然ガス】

中仁集団が露エネルギー省と年間300億ドルの原油取引で合意 (16/08/17)
2016/8/17
中国【石油・天然ガス】

 8月17日、深圳中仁資本投資集団とロシア連邦エネルギー省が戦略協力枠組協定に調印した。この協定には、原油供給をめぐる協力、中国で石油製品を販売する合弁・協力事業の推進やその他の国際協力事業などが盛り込まれている。同協定に基づき、ロシアエネルギー省の対外エネルギー貿易を所管するロシア連邦外国貿易委員会系の工業物資輸入国営企業が中仁集団に毎年1億バレル、1,300万トンに上る軽質原油を供給する。総価額は毎年300億ドルに達する。

 中仁集団は中国商務部が承認した第1期民営石油製品卸売企業3社のうちの一つである、石油サプライチェーン金融専門の総合グループ企業になる。全額出資子会社3社、経営権を有する子会社5社を有し、傘下企業は原油及び石油製品の販売、金融、新エネルギー開発、物流等を手掛けている。同社の石油販売ネットワークは全国を網羅し、石油製品販売量は年間数百万トンに達する。CNPC、SINOPEC、CNOOC、中航油の重要な戦略協力パートナーでもある。

 2015年初頭以来、中国は油価下落のチャンスを生かして戦略石油備蓄を加速している。中仁集団は国の政策に積極的に呼応し、実際の行動によって国家戦略石油備蓄を強力にサポートしている。同社は2ヵ所の石油タンク基地を活用して備蓄原油を調達している。総備蓄能力は17億5,000万m3に上る。

 税関総署の統計によると、中国が2016年上半期に輸入した原油は合計1億8,650万トン、前年同期に比べ2,315万トン増加した。月平均輸入量は3,000万トンを超え、過去最高水準を記録した。

 国内の石油製品卸売市場では、自動車保有台数の増加とガソリン需要の拡大によって、中国の原油輸入の増加が続いている。国家発展改革委員会の統計によると、今年上半期の中国の石油製品消費量は前年同期比4.4%増加した。軽油は3.1%のマイナスになったが、ガソリンは前年同期比13.7%も増加した。

 その一方で、中国の戦略備蓄原油の需要も上半期に増加傾向を呈した。今年3月に国家統計局が発表した最新の5ヵ年行動計画によると、中国は2020年までに戦略備蓄を5億バレルに拡大する計画である。現時点で完成しているのは約2億バレルである。中国は今年、米国を超える世界最大の原油輸入国になると予想される。

 中仁集団も国内ガソリン市場の未来のビジョンに照準を合わせている。中国で石油製品を販売する合弁協力事業をロシア連邦エネルギー省と合意したのも、将来の国内ガソリン市場において機先を制し、一定の地位を占めることが狙いである。

 中仁集団が今回ロシアエネルギー省と戦略協力で合意したことは、同社が業務を大幅に拡大し、石油・天然ガスの上流・下流一体化の時代へと歩みを進めたことを宣言するものであり、同社の発展において重要なマイルストーンになる。

 (一財網 8月17日)