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【石油・天然ガス】

発展改革委員会が輸入原油使用権の審査をスピードダウン 地方製油所に対する監督管理は「放」から「収」に転換 (16/08/29)
2016/8/29
中国【石油・天然ガス】

 昨年5月に地方製油所に輸入原油使用権が開放されて以来、地方製油所は輸入原油の使用申請と精製に極めて前向きになった。然るに、施行から1年余り、輸入原油使用権の申請においても、製油所の実際の生産過程においても無規範問題が存在している。

 こうした問題を受けて、国家発展改革委員会は先日、《原油精製企業の輸入原油使用申請のさらなる規範化に関する通達》を示達し、事業の部署、技術水準、製品の品質、エネルギー消費及び環境保護の5つの側面から、「厳正な要件」を打ち出すことにした。

 複数の業界関係者に取材したところ、現在の政策基調はすでに「放」(緩和)から「収」(引き締め)へと徐々に転換しつつある。

 発展改革委員会は輸入原油の使用を申請する製油所に対する審査を強化しており、これまで緩かった地方製油所の輸入原油使用権に対する審査はすでにペースダウンしている。

 2015年下半期には合計12社の地方製油所が輸入原油使用枠を獲得したが、これに比べると、今年上半期には国家発展改革委員会や石油化学聯合会等の審査は大幅にスピードダウンしている。上半期に正式にライセンスを得たのは山東海石石化と無棣鑫岳燃化だけであり、7月11日に承認された恒源石化でようやく3社目になる。

 今年初めに書面審査にパスした河南豊利、山東神馳、嵐橋、金誠石、中海精細化工の5社の製油所には未だに実質的な進展がなく、その殆どは現場審査段階にすら入っていない。

 発展改革委員会が審査スピードを落としているのは、プラントの規模が大きい多数の地方製油所が原油輸入使用と原油輸入の2つの権利を取得しているのに対し、それ以外の多数の地方製油所はプラントの規模や下流の関連部署の面で一定の格差があるためである。すでに枠を獲得している地方製油企業にも老朽化プラントの解体などの面で一定の遅れがあり、そのため、国の関係部門は意図的に輸入原油使用の審査を遅らせている。

 「地方製油所に対する監督管理は今後厳しくなり、地方製油所の拘束もますます増えるだろう。これはすでに業界の共通認識になっている」と山東省の某地方製油所の副社長は言う。

 (新浪財経 8月29日)